2003年頃まで、パネライのクロノグラフは「最高級」という位置づけとなっており、クロノグラフそれ自体が「憧れのパネライ」だったといえます。
そういった最中、パネライに存在したクロノグラフは、通常モデルでもエルプリメロ搭載のルミノールだったのです。
当時の印象としては、エルプリメロ搭載のルミノールは、まさにデイトナ16520のライバル的存在。相場も近く、当時のパネライブームも相まって「まさにデイトナのライバル」といったキャラクターとなっていたといえます。
そして、そういった時期のルミノールには、「更に高級モデル」が存在。その代表格ともいえるのが、今回取り上げるPAM00060であります。
これは、エルプリメロ搭載機種なのですが、フライバック機構が追加。文字盤デザインも、他のルミノールクロノでは使われない配色となっており、一目で「フライバック」と分かる仕立てとなっています。
この60番は、限定モデルという扱いで投入されたのですが、当時のパネライの限定モデルらしい「スペシャル感」があったといえます。
そういった特別感ゆえに、デビュー時から長らく「高い相場」といった傾向があり、2010年代になってからの値動きも活発だったといえます。
2019年から2021年にかけては特に上昇しており、2019年には200万円超え、2021年には230万円台に達していました。
そんな60番でありますが、2025年はどうなっているかというと、なんと値下がりしてしまっている様子となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年8月 の安値 |
2025年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ PAM00060 |
中古 | 3年 6ヶ月 |
¥2,300,100 | ¥1,998,000 | -302,100 | 86.87% |
現在、この60番は約199万円で購入可能となっているのですが、これは2019年9月水準よりも安価という状態です。
近頃、60番と同世代の通常モデルが「伸びている」という傾向が見られるパネライですが、それらとは逆にこのPAM00060は値下がり状態。
ちなみに、60番に限らず、72番など他のルミノールクロノも「2019年水準と変わらない」、「2019年水準よりも安価」という様子が見られます。
ルミノールクロノは、「エルプリメロ搭載」、「当時の上級モデル」、「チタンとステンレスのコンビが格好良い」という良い要素があるわけで、そういったことから2000年代から長らく“相対的に高値”というポジションをキープしていました。
しかしながら、近頃のルミノールクロノは、特に思い当たるマイナス要素がないにも関わらず、あまり評価されていない傾向があるといえます。