5107は、ロレックスの5桁後期にあたる世代のモデルですが、その世代のカラトラバで最も中古相場が高値といった傾向があります。
現行当時は、他のカラトラバに対して特に相場(新品実勢価格)が高いといったことはなく、また、「リューズガードがカラトラバらしくない」といった意見が一部の時計ファンからあったほど。
しかし2010年代中盤になると、5107系はこの世代のカラトラバとしては抜きん出て高値となっていたのです。
そんな5107でありますが、ブレスレットの5107/1Jについては前回記事で取り上げた2021年1月までは、なぜだか「革ベルトの5107」に対して「そこまで相場が高くない」といった様子があったのです。
K18モデルですから、「ブレスレット」となると革ベルトモデルに対して“相場がずいぶん高い”となるのは自然でありますが、特に2020年においては革ベルトの5107J-001と同じぐらいの価格となっていたのです。
ただ、2021年になると5107/1Jは上昇した一方、革ベルトの5107J-001が下落したため、両者の相場差は70万円程度にまで広がります。
とはいえ、70万円という差でも「革ベルト対K18ブレスレット」としては、「差がない部類」だったといえます。
そのため、筆者は2021年1月時点でも「高くない」と記載したわけです。(当時の記事)
さて、そんな5107/1Jでありますが、現在相場はどうなっているかというと、ようやく「K18ブレスレットらしい価格」になったといえる状態であります。
本記事で参考とした中古腕時計
|
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年1月 の安値 |
2025年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
パテックフィリップ
カラトラバ 5107/1J |
中古 | 4年 1ヶ月 |
¥2,780,000 | ¥5,642,340 | 2,862,340 | 202.96% |
5107/1Jは2021年頃まで「1年に1本程度中古が出現」といった感じでしたが、2021年以降は中古売出しがない状態が続いていました。
2021年の次に5107/1Jが売り出されたのは2024年になってから。その際、筆者は5107/1Jが出ていたということを見逃していたのですが、約4日といった短い期間で売り切れとなっていた形跡があります。
2024年時点で5107/1Jは約417万円となっており、2021年1月水準よりもだいぶ高くなっていたと同時に、革ベルトとの相場差も「100万円以上」に達していました。
そして今、5107/1Jはなんと約564万円といった状態。
現在、革ベルトの5107J-001は約321万円ですから、現時点における「5107の革ベルト対ブレスレット」の相場差は、実に243万円であります。
そういった意味で、ようやく5107/1Aは「K18ブレスレットらしい相場」になったと同時に、以前から「高くない」と指摘していた筆者としては、やっと評価されたことを嬉しく思います。