1996年に“1964年の復刻版”としてデビューしたカレラ。
初代復刻モデルであるこの世代のカレラは、2017年頃まで全く評価されておらず、10万円台で購入可能といった様子がありました。
また、2015年頃に至っては、15万円程度で購入可能。これは1999年頃の中古相場と大きく変わりなかったため、16年程度にわたって“相場がほぼ変わらず”といった傾向があったといえます。
そんな初代復刻カレラでありますが、2018年頃から相場が上昇するようになります。
特に黒文字盤のCS3111が最も先に評価されるようになり、10万円台だったのが20万円台⇒30万円台というように変化。2020年3月には40万円台となったのです。
そして、2021年5月になるとCS3111は約59万円にまで上昇。
CS3111は2016年9月時点で約17万円という水準だったわけですから、2021年までに3倍以上になっていたといえます。
さて、そんなCS3111ですが、約4年ぶりに価格ステージの変化が見られる様子があります。
現在、CS3111は約65万円となっており、ついに60万円台という価格帯まで達したといえる状態なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年5月 の安値 |
2025年2月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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タグホイヤー
カレラ CS3111 |
中古 | 3年 9ヶ月 |
¥598,000 | ¥658,000 | 60,000 | 110.03% |
2018年以降、SSモデルの中でCS3111が最も高く、最初に値動きするという傾向があります。
現在、このCS3111が約65万円になっている一方で、同じ1996年に登場した銀文字盤のCS3110は約55万円となっているため、CS3111のほうが約10万円高だといえます。
ちなみに、初代復刻世代のカレラには2つの黒文字盤が存在。古いほうがこのCS3111で、新しいほうがCS3113という型番。
CS3113は、インダイヤルに「フチ」がついているのですが、近年の中古相場ではフチなしのCS3111のほうが高値であります。
筆者は、“フチあり”であるCS3113も好きなのですが、中古市場でCS3111のほうが評価されているのは「よりオリジナルに近いから」だと思います。
古いカレラといえば、なんとなく銀文字盤のイメージがありますが、実は黒文字盤はオリジナル世代に存在。筆者はオリジナル世代の黒文字盤の実物を見たことがありますが、そのとき思ったのは「CS3111は忠実な復刻モデルだったのだ」という点です。
ですから、CS3111が特にこの世代のカレラの中で評価されているというのは、「オリジナルに忠実」という部分が大きいのだと思います。