初期リシュモン時代のパネライには、数々のレアモデルが存在しますが、そういったモデルのキャクターはいずれも濃く、コレクター目線ではたまらない要素を含んでいるといえます。
今回取り上げるのはPAM00037でありますが、これは一見すると当時の普通の「ルミノールマリーナ」といった内容。
素材も文字盤も、裏蓋も、どれをとってもPAM00001と「何が違うのか?」よくわかりません。
では、この37番というモデルが「どう違う」のか、というと、その答えはなんと非売品。
なぜ、非売品であるはずの37番が中古市場に出回っているのかという疑問があるものの、随分前から中古市場には一定数出てきている様子があります。
この37番は、通称「プロモーションモデル」と呼ばれているのですが、2001年頃にアンバサダーといった人たちに配られた模様。
その一部が中古市場に流通しているようですが、一般では手に入らないモデルであるために、以前から相場は1番(ルミノバ)と比べても「だいぶ高値」といった様子があります。
例えば、2018年時点で1番のルミノバ個体は、40万円台前半といった水準でしたが、その一方、この37番は約89万円という水準だったのです。
そんなPAM00037でありますが、2025年の現在水準はどうなっているかというと、なんと約120万円に達している状態。
2018年時点でも「他のパネライと比べて割高」といった状態でしたが、その評価は更に高まっているといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年10月 の安値 |
2025年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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オフィチーネパネライ
ルミノールマリーナ PAM00037 |
中古 | 6年 6ヶ月 |
¥896,400 | ¥1,204,500 | 308,100 | 134.37% |
この37番のように、「コレクター心をくすぐる特殊なモデル」がこの世代のパネライにはいくつかありますが、評価されるものとそうでないものがあるといえます。
37番の場合は、「非売品」という謎めいた要素が評価されているようで前から高い水準に位置。
そして、2025年にかけても上昇しているため、以前も今も高い評価となっているといえます。
ただ、1番とほぼ同じ見た目のため、その特別感は「オーナーしか分からない」というのが面白いところ。
例えばですが、この記事を書いている私は、PAM00037という存在を知っているわけですが、仮に街中でこれをつけている人を見かけたとしても、“1番か111番”だと思うかもしれません。
そういった意味で、この37番は完全に自己満足の世界の最たるものだといえるのですが、そういったところ含めて「面白い」と感じる方が多いのだと思います。