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現在相場考察

5711/1Aと同水準、ノーチラス5980/1A-001

2025年4月23日更新
パテックフィリップのノーチラス5980/1A-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2023年4月の安値と2025年4月の安値を比較し現在相場を考察。この2年0ヶ月での変動は208万600円の値下がりだった。

ノーチラス 5980/1A-001についての考察(2025年4月)

2005年前後という時期を境目に、ノーチラスのラインナップは大きく変化。バリエーションが多く展開され、コンプリケーションもいくつも展開されるようになったといえます。

最初のコンプリケーションモデルは、2005年登場の3712/1Aですが、翌年2006年にはクロノグラフが登場。その際、登場したのは5980/1A-001ですが、この5980/1A系は、長らく「最も高いノーチラス」といった相場になっていたといえます。

他のノーチラスコンプリケーションモデルとしては、年次カレンダーや、この5980の後継ともいえる5990があるのですが、クロノグラフは特に高いといった印象があるといえます。

ちなみに、一時3針5711/1Aに対する人気度が高まった時期に、年次カレンダーよりも高値といった事がありましたが、そういった時期において5980/1A系は、5711/1Aよりも頭一つ高いといった相場を維持していました。

しかし今、そういったノーチラスの相場には変化が生じている様子。

現在、この5980/1A-001は約1472万円となっているのですが、これは5711/1A-001の約1480万円よりも若干安値といった状態であります。

長らく5980/1A系は、5711/1Aなどよりも頭一つ高い、といった状態だったわけですが、2025年の今、そういったことが覆されてしまっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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パテック・フィリップ PATEK PHILIPPE ノーチラス クロノグラフ 5980/1A-001 SS 腕時計 メンズ 中古

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2023年4月
の安値
2025年4月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
5980/1A-001
中古 2年
0ヶ月
¥16,809,600 ¥14,729,000 -2,080,600 87.62%

また、興味深いのは、『現在1500万円程度といった予算があったならば、おおよそどのタイプのノーチラスも選び放題』といった点です。

年次カレンダーでは5726/1A-001が約1522万円、2ピース構造で裏スケという希少性がある5980/1A-001も1498万円といった状態。

5711/1A-001といった3針や、このクロノグラフ5980/1A-001など、これまでは「差があってあたり前」といった状態だったノーチラスの数々が、1500万円程度という額で購入可能となっているのです。

特に、この5980/1A-001については、長年5711/1Aに対して圧倒的に高いといった水準となっており、2019年5月時点で1000万円超えという水準に達したほど。

5711/1A-001などが1000万円超えとなったのは2021年になってからですが、この5980/1A-001については2019年5月時点で1180万円という水準に達していたのです。

ですから、5980/1A-001は長年「5711/1Aよりも高い」というのが当たり前だったわけで、それが5711/1Aと同水準となっているというのは、衝撃的な出来事だといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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