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【値下がり考察】大暴落の事例、ミルガウス116400GV

腕時計の新型はデビューした時が最も高く、次第に値段が落ち着いてくるという現象があります。

それはこの116400GVが2007年にデビューする以前より知られている現象でした。

しかし、値段が落ち着くといっても、この116400GVほど“早く”“大幅に”値下がりするということは無かったのです。

例えば、ヨットマスターロレジウム(16622)はデビュー1年後の相場が約79万円なのに対し2年後の相場は約65万円

これでも大きく値下がりしたという印象になりますが、その額は14万円。しかも1年以上かけて14万円の値下がりです。

116400GVの値下がりを見ると、この14万円が「たったの」というように思えてしまいます。

おそらく、これほどインパクトの有る値下がりは116400GV以外には無いでしょう。

なおこの時計、“かつて180万円で売られていた”という事実が有名なように、2007年における相場は180万円です。

それが2008年に入ると徐々に値下がりし、6月に約158万円となったわけです。

その際の値下がり額は約20万円なのですが、これはヨットマスターのような事例であり、特に気にかけるほどの値動きではありません。

しかしその後の値下がりはジェットコースターのような急降下

その大きな原因として考えられるのがリーマンショックです。

2008年6月と12月の間にリーマンショックが起きています。

このリーマンショックにより、116400GVに限らず多くの時計の価格が下がりました。

とはいっても、他の時計の下落率はここまでひどいものではありません。

確かに、青サブ(16613)などがロレックスブーム以前の水準まで下がりましたが、下落額は20万円以下に収まる場合が多かったのです。

よってこのミルガウス116400GV、腕時計相場史上類を見ない値下がりを短期間にした時計としてギネス並の記録を誇っています。

なお、下落後の相場は安定しており、2012年頃の相場と2017年の相場の差が10万円以下という、現在のお買い得モデルです。

そして今後、ミルガウスが生産終了されるなどして、再度この時計が2007年の水準にまで相場が復活したならば、「伝説の腕時計」となるのは間違い無いでしょう。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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