ラグスポ含め、スポーツモデルの腕時計は、各社ともロレックスを参考にしてきた経緯があるといえます。
特にそういったことを感じるのが素材の扱いでしょう。
5桁世代までのロレックスでは、SS、YG、そのコンビというラインナップでしたが、同じ頃のノーチラスもほぼ同じといえるラインナップだったといえます。
また、1990年代前半には「皮ベルトのスポーツモデル」というデイトナ16518が投入されましたが、それに続くかのように、ロイヤルオークでも革ベルトモデルが登場しています。
ただ、1990年代後半頃になると、そういったロレックスを見習った構成にアレンジが入るようになったといえます。
まず、最初に生じた変化が“コンビモデルの非設定”。例としては、初代オーヴァーシーズとアクアノートでしょう。
そして2000年頃になると、各社がRG(PG)を積極採用。パテックフィリップスポーツ系の場合、YGの代わりという形でRGが採用されたといえます。
さて、そうなるとかつては“当たり前に存在した”といえるYGやコンビモデルが、今では逆に「珍しい」といえる存在になってしまっているといえます。
5711世代のノーチラスでは、コンプリケーションモデルなど、ラインナップがかなり増えた経緯がありますが、その一方でYGモデルやコンビモデルの展開はほぼありません。
5711世代のYGは革ベルトの5711J-001のみ。SSとK18のコンビモデルは5980/1AR-001のみだといえます。(筆者調べ)
ですから、かつて当たり前にあった要素は、今となっては逆にレアともいえるため、筆者としてはなんだか興味深い存在、つまり“欲しい”と思うようになったといえます。
ちなみに5980の後継かつ、現行モデルである5990にもコンビモデルの設定はなく、5711世代以降のノーチラス唯一のコンビモデルが5980/1AR-001だといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年1月 の安値 |
2025年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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パテックフィリップ
ノーチラス 5980/1AR-001 |
中古 | 3年 6ヶ月 |
¥23,800,000 | ¥14,880,000 | -8,920,000 | 62.52% |
5980/1AR-001の現在相場は1488万円となっているのですが、これは同じ5980のSSモデルである5980/1A-019より高い反面、5711/1A青文字盤より安価といった水準です。
ただ、現在のノーチラスは、この5980/1AR-001含め多くのモデルが1500万円前後といった水準で購入可能となっているため、現在5980/1AR-001は「他のノーチラスと比べてどうか」というよりも、1500万円前後で購入可能なノーチラスの選択肢の1つというように捉えたほうが良いでしょう。
そうなった場合、筆者としては希少な“コンビモデル”であるという点と、青文字盤の色合いが「良い」と思うため、現在におけるノーチラスの選択として5980/1AR-001が最も気になるといえます。