腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

この世代のコンビモデルは実は希少、ノーチラス5980/1AR-001

2025年7月6日更新
パテックフィリップのノーチラス5980/1AR-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2022年1月の安値と2025年7月の安値を比較し現在相場を考察。この3年6ヶ月での変動は892万円の値下がりだった。

ノーチラス 5980/1AR-001についての考察(2025年7月)

ラグスポ含め、スポーツモデルの腕時計は、各社ともロレックスを参考にしてきた経緯があるといえます。

特にそういったことを感じるのが素材の扱いでしょう。

5桁世代までのロレックスでは、SS、YG、そのコンビというラインナップでしたが、同じ頃のノーチラスもほぼ同じといえるラインナップだったといえます。

また、1990年代前半には「皮ベルトのスポーツモデル」というデイトナ16518が投入されましたが、それに続くかのように、ロイヤルオークでも革ベルトモデルが登場しています。

ただ、1990年代後半頃になると、そういったロレックスを見習った構成にアレンジが入るようになったといえます。

まず、最初に生じた変化が“コンビモデルの非設定”。例としては、初代オーヴァーシーズとアクアノートでしょう。

そして2000年頃になると、各社がRG(PG)を積極採用。パテックフィリップスポーツ系の場合、YGの代わりという形でRGが採用されたといえます。

さて、そうなるとかつては“当たり前に存在した”といえるYGやコンビモデルが、今では逆に「珍しい」といえる存在になってしまっているといえます。

5711世代のノーチラスでは、コンプリケーションモデルなど、ラインナップがかなり増えた経緯がありますが、その一方でYGモデルやコンビモデルの展開はほぼありません。

5711世代のYGは革ベルトの5711J-001のみ。SSとK18のコンビモデルは5980/1AR-001のみだといえます。(筆者調べ)

ですから、かつて当たり前にあった要素は、今となっては逆にレアともいえるため、筆者としてはなんだか興味深い存在、つまり“欲しい”と思うようになったといえます。

ちなみに5980の後継かつ、現行モデルである5990にもコンビモデルの設定はなく、5711世代以降のノーチラス唯一のコンビモデルが5980/1AR-001だといえます。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります
パテックフィリップ ノーチラス クロノグラフ 5980/1AR-001 中古 メンズ 腕時計

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2022年1月
の安値
2025年7月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
ノーチラス
5980/1AR-001
中古 3年
6ヶ月
¥23,800,000 ¥14,880,000 -8,920,000 62.52%

5980/1AR-001の現在相場は1488万円となっているのですが、これは同じ5980のSSモデルである5980/1A-019より高い反面、5711/1A青文字盤より安価といった水準です。

ただ、現在のノーチラスは、この5980/1AR-001含め多くのモデルが1500万円前後といった水準で購入可能となっているため、現在5980/1AR-001は「他のノーチラスと比べてどうか」というよりも、1500万円前後で購入可能なノーチラスの選択肢の1つというように捉えたほうが良いでしょう。

そうなった場合、筆者としては希少な“コンビモデル”であるという点と、青文字盤の色合いが「良い」と思うため、現在におけるノーチラスの選択として5980/1AR-001が最も気になるといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。