それは、裏蓋が他の年式の白文字盤と異なるのです。
上の図のように、パシャCの裏蓋には大きく新裏蓋と旧裏蓋が存在するのですが、それが切り替わったのがこの「L SWISS MADE L」が出たタイミングなのです。
ビッグデイトだと全ての裏蓋は新裏蓋しかありません。
一方、黒文字盤や多くの白文字盤、そしてグレー&ピンクのグリッドモデルは裏蓋が旧裏蓋仕様です。
ですから、人気のある初期デザインで新裏蓋を有するものは白文字盤と黒文字盤しかありません。
しかし、黒文字盤は長らく形を変えず作られたため、新裏蓋のモデルは珍しくないのです。
一方、白文字盤の新裏蓋は「L SWISS MADE L」仕様しかありません。
よってスモールデイトの白文字盤で新裏蓋というのはかなりのレア仕様なのです。
ということでこの最終型白文字盤、ルミノバ仕様の文字盤と新裏蓋により“新しさを感じる初期モデル”かつ生産年数が短く数が少ない、ということで筆者はかなり昔からグッときています。
こまめにチェックしていてもこの仕様、なかなか出ない傾向で、最近は1年に1本見かけるというほど希少な存在。
この「L SWISS MADE L」について興味深いのは、他の年式だと白文字盤がアイボリー化している個体があるのに、この最終型はアイボリーになっている個体を見かけたことがありません。
おそらく、トリチウム塗料の前期文字盤から何かしらの改良が行われたのだと推測できます。
ですから本記事の個体は久しぶりに登場した「L SWISS MADE L」という最終型の白文字盤という希少なモノ。
しかし、1つだけ問題があります。それは、ブレスレットの長さが15cmしかないという点。ここまで短いということは、前オーナーは女性だったのでしょう。
パシャCが女性モノと評価されることによる影響はこういったところにも出ているのが勿体無いと感じます。
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