手巻きムーブメント、スモールセコンド、ギョーシェ彫り文字盤。
三雲ブランドの腕時計像としてもっともイメージされるこの古典的な内容ですが、ヴァシュロンコンスタンタンがこのようなモデルを出す場合、そこにはカラトラバという強いライバルが存在します。
ですから、ヴァシュロンコンスタンタンがこの分野に挑む場合、カラトラバとは“違う価値”を提案する必要があるのですが、マルタグランクラシックはそれをうまく表現することに成功したモデルだと感じます。
このモデルは、カラトラバよりデザインがモダンな印象であり、特にラグ部分は特徴的。
このデザインはこの時代のヴァシュロンコンスタンタンに共通するものであり、気合を感じられます。
その気合はムーブメントにも現れており、このマルタグランクラシックの手巻きムーブメントは自社製。
ヴァシュロンコンスタンタンといえば、オーバーシーズがそうであるように、三雲ブランドでもあるにも関わらず、自社製ムーブメントという印象がありません。
実際、1940年頃から長きに渡りジャガールクルトやレマニア等のベースムーブメントを使用。
ですから、おそらくこのCal.1400は、数十年ぶりに造られたヴァシュロンコンスタンタンによる自社製ムーブメントであるのです。
最近、リシュモングループはパネライやカルティエでも自社製ムーブメント化を強く打ち出していますが、それらブランドとは“自社製ムーブメント”という重要度が違います。
“三雲時計”であるヴァシュロンコンスタンタンにとってマニュファクチュールという要素はかなり重要。
まして、三雲ブランドの中で最も歴史があるわけですから、むしろ「なぜ自社製ムーブメントでなかったのか」という疑問のほうが大きいように感じます。
そして、このマルタグランクラシックのようにオーソドックスなシンプルな時計の場合、より一層自社製ムーブメントだということが重要です。
ですから、ヴァシュロンコンスタンタンが2000年にこのマルタを発表した際、自社製を搭載したということには、とても重要な意味があるのです。
そして、自社製ムーブメントを搭載したからこそカラトラバと比較することができ、「カラトラバよりモダンなデザインが好印象」というような見方が可能となります。
しかし、カラトラバと勝負できるモデル造るということを実現できた反面、市場ではそこまで高評価されておらず、値上がり傾向ではあるのですが、同時期のカラトラバと比較してかなり安い相場となっています。
ヴァシュロンコンスタンタンマルタグランクラシック81000/000Jの価格比較
時計名 | 状態 | 2008年3月の安値(ヤフオク) | 期間 | 2017年6月の安値(楽天) | 変動した額 | 残存価額 |
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ヴァシュロンコンスタンタン マルタ グランクラシック 81000/000J |
中古 | ¥735,000 | 9年 3ヶ月 |
¥864,900 | 129,900 | 117.67% |