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現在相場考察

さらに安くなった、パテックフィリップワールドタイム5110R

2017年6月17日更新
パテックフィリップのワールドタイムについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年8月の安値(楽天)と2017年6月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この10ヶ月での変動は31万6000円の値下がりだった。

ワールドタイム 5110Rについての考察(2017年6月)

ワールドタイムは、プチコンプリケーションの最高級モデルという印象が強く、プラチナモデルを多く見かける存在でもあります。

今では通常モデルとしてラインナップされているワールドタイムですが、このようなモデルが登場したのは2000年のこと。

それ以前にもワールドタイムは存在していましたが、5億円で落札されたヴィンテージモデルなど、“普通に売っている”ようなモデルではありませんでした。

プチコンプリケーションとして“普通に販売される”モデルとなったワールドタイム5110シリーズは、年次カレンダー5035と共に人気のプチコンとして知名度が高めのモデルでしたが、以外にもモデルチェンジ頻度は高め。

2000年に5110がデビューしてから現在にかけて2度もモデルチェンジされています。

モデルチェンジ頻度が高めとはいえ、ワールドタイムというモデル自体のインパクトは強く、この5110の影が薄くなるわけではありませんでした。

実際、この5110は2015年頃に300万円以上という相場まで上昇。

しかし、2016年頃より値下がり傾向となり、今では2016年8月よりさらに安くなっているのです。

(現在参考の腕時計がありません)

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年8月
の安値(楽天)
2017年6月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
ワールドタイム
5110R
中古 0年
10ヶ月
¥2,854,000 ¥2,538,000 -316,000 88.93%

2016年8月の時点で値下がり傾向だったが、その頃よりさらに30万円以上の値下がり状態

2016年8月といえば、ロレックスも安くなった時期であり、実際デイトナ116520の白文字盤が105万円程度で入手可能でした。

しかし、ロレックスの場合2016年12月頃から価格が回復傾向となり、今では2016年8月と比べて20万円以上の値上がりとなったモデルも多々あるような状況です。

にもかかわらず、パテックフィリップワールドタイムは2016年8月と比べて、さらに30万円値下がり状態となっているのです。

最近、年次カレンダー5035も値下がり傾向ですが、それは2016年12月頃に底となった模様で、その後は若干の回復傾向という感じです。

一方、ワールドタイムの場合、現在でも値下がり傾向。

同じくGMT機能を売りにしたロレックスGMTマスターが値上がり傾向な一方、パテックフィリップだと値下がり傾向なのです。

とはいえ、このワールドタイム年次カレンダー5035よりもデザイン面での人気が高い模様であり、ワールドタイムというモデルのラインナップも多くはありません。

年次カレンダーの場合、かつては5035のみの展開でしたが、現在ではノーチラスでも該当モデルがあるほど「年次カレンダー」という機構自体の希少性は薄まっています。

ですから、ワールドタイムの場合、デザイン的にも機構自体の希少性においても注目度が高く、今のように“2度”も値下がりするという現象は珍しいと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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