ワールドタイムは、プチコンプリケーションの最高級モデルという印象が強く、プラチナモデルを多く見かける存在でもあります。
今では通常モデルとしてラインナップされているワールドタイムですが、このようなモデルが登場したのは2000年のこと。
それ以前にもワールドタイムは存在していましたが、5億円で落札されたヴィンテージモデルなど、“普通に売っている”ようなモデルではありませんでした。
プチコンプリケーションとして“普通に販売される”モデルとなったワールドタイム5110シリーズは、年次カレンダー5035と共に人気のプチコンとして知名度が高めのモデルでしたが、以外にもモデルチェンジ頻度は高め。
2000年に5110がデビューしてから現在にかけて2度もモデルチェンジされています。
モデルチェンジ頻度が高めとはいえ、ワールドタイムというモデル自体のインパクトは強く、この5110の影が薄くなるわけではありませんでした。
実際、この5110は2015年頃に300万円以上という相場まで上昇。
しかし、2016年頃より値下がり傾向となり、今では2016年8月よりさらに安くなっているのです。
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年8月 の安値(楽天) |
2017年6月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
パテックフィリップ
ワールドタイム 5110R |
中古 | 0年 10ヶ月 |
¥2,854,000 | ¥2,538,000 | -316,000 | 88.93% |
2016年8月の時点で値下がり傾向だったが、その頃よりさらに30万円以上の値下がり状態。
2016年8月といえば、ロレックスも安くなった時期であり、実際デイトナ116520の白文字盤が105万円程度で入手可能でした。
しかし、ロレックスの場合2016年12月頃から価格が回復傾向となり、今では2016年8月と比べて20万円以上の値上がりとなったモデルも多々あるような状況です。
にもかかわらず、パテックフィリップのワールドタイムは2016年8月と比べて、さらに30万円値下がり状態となっているのです。
最近、年次カレンダー5035も値下がり傾向ですが、それは2016年12月頃に底となった模様で、その後は若干の回復傾向という感じです。
一方、ワールドタイムの場合、現在でも値下がり傾向。
同じくGMT機能を売りにしたロレックスのGMTマスターが値上がり傾向な一方、パテックフィリップだと値下がり傾向なのです。
とはいえ、このワールドタイム、年次カレンダー5035よりもデザイン面での人気が高い模様であり、ワールドタイムというモデルのラインナップも多くはありません。
年次カレンダーの場合、かつては5035のみの展開でしたが、現在ではノーチラスでも該当モデルがあるほど「年次カレンダー」という機構自体の希少性は薄まっています。
ですから、ワールドタイムの場合、デザイン的にも機構自体の希少性においても注目度が高く、今のように“2度”も値下がりするという現象は珍しいと感じます。