腕時計投資新聞

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程度の良い3針、カルティエパシャ38mm

コンビのパシャ38mmは比較的程度が良い個体が多い模様で、2014年に売り出された個体も、良い状態です。

中古相場ではコンビとステンレスの差はあまり無いものの、カルティエの場合、新品となると並行品でもコンビとステンレスの差がある傾向でした。

というより、2000年代前半において、並行品のカルティエはほぼステンレスだったため、コンビを入手するのは金銭面だけでなく、探さなければならないというハードルもあったのです。

さらに、このギョーシェ文字盤+裏スケ仕様の世代になってから、コンビモデルはブレスレットまでコンビ仕様となったため、それまでのコンビパワリザなどより高くなったという事情もあります。

つまり、

  • 当時の入手価格が高かった
  • あまり売られていなかったため入手のハードルが高かった
  • というマニアックさにより、大切にされた個体が多いのでしょう。

    最近の相場では、ステンレスの程度の良いモノは25万円前後といったところで、たまに21万円程度で程度の良い売られますが、気づいたときには売れているというほど即売れてしまう傾向です。

    そしてこのコンビは、ステンレスの程度の良いモノよりさらに程度が良いというモノながら、5万円から10万円高いという水準で買えるのです。

    同じ値段でステンレスのクロノグラフが買えるため、どちらにするかは悩ましいところですが、より希少性が高いのはこの3針コンビのほうでしょう。

    このような時計を購入する場合、値下がりは覚悟の上ということになりそうですが、2014年の相場と比較して意外にもほぼ価格が変わっていないのは嬉しいポイント。

    ただ、使用して程度が悪くなってしまった場合、当然ですが価値は下がる可能性が高いでしょう。

    そのため、魅力的な腕時計ですが、扱いは難しい1本だと感じます。

    複数本所有している人が、1、2週間に1回ぐらいの頻度で使うのが理想的だと思います。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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