一時期、スピードマスタームーンフェイズといえば、WGベゼルの白文字盤というように、プロフェッショナルではあるものの、ムーンウォッチとはちょっと違うカテゴリの豪華なモデルという印象がありました。
また、それより前にスピードマスターにはムーンフェイズモデルが存在し、コンビのムーンフェイズなどはよく見かける存在です。
ただそれはスピードマスターといってもプロフェショナルではありません。
では、2000年頃登場したムーンフェイズモデルがプロフェショナル初のムーンフェイズモデルかというと、もっと前に重要なモデルが存在しています。
2000年頃登場したモデルはプロフェショナルに属するモデルですが、所謂ムーンウォッチの見た目からは離れている印象。それに対して、1985年にプロフェショナル初のムーンフェイズととして登場したT345.0809は、まさにムーンウォッチにムーンフェイズを搭載したという見た目。このST345.0809はかなり希少かつ高い相場となっている人気のあるモデルです。
そしてそのST345.0809とそっくりな内容で2003年に登場したのがこの3576.50。
この時計、まさに3570.50にムーンフェイズを足したような見た目。
雰囲気はST345.0809にそっくりですから、人気モデルの再来というようにST345.0809並に高い相場のかと思いきや、意外にも高くない状況。
しかも、2013年と比較して相場もほぼ変わらないというなかなか値動きの無いモデルなのです。
本記事の価格比較
腕時計 | 状態 | 期間 | 2013年8月 の安値(ヤフオク) |
2017年7月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
---|---|---|---|---|---|---|
オメガ
スピードマスター ムーンフェイズ 3576.50 |
中古 | 3年 11ヶ月 |
¥278,250 | ¥331,000 | 52,750 | 118.96% |
1985年に出たST345.0809が高く、見た目がそっくりな3576.50が安いというのには理由があります。
その理由こそ3576.50に施されたわずかな差であり、この“差”こそが不人気要素となっているのです。
それは、
という要素。
これら要素は、1985年モデルに対するちょっとした近代化として正しく思います。
しかし、そのちょっとした雰囲気が市場では受け入れられず1985年モデルとはかけ離れた相場となっているのです。
この時計、サファイヤクリスタル+裏スケという内容ですから、ムーンウォッチというカテゴリにおける最高級仕様として登場させたのでしょう。
上から安い順に、
となり、ムーンウォッチというくくりの中で様々なモデルを展開するうちの最高級バージョンとという趣旨が分かります。
そして、現在の相場も上記同様の並びです。
しかし、以前はWGベゼルの3575.20より高かったのが、今ではそれより安い相場となっているのです。