ジャガールクルトというブランドは、高い技術力を持っている数少ないブランドだといえます。
近年、マニュファクチュール化するブランドが増えていますが、昔からの数少ないマニュファクチュールであるのがジャガールクルトです。
昔からのマニュファクチュールといえば、JLCの他には、
などが有名どころだといえます。(他にもあると思われます)
そして、その中で、「最高級」という要素を持っているのが、パテックフィリップとロレックスだといえますが、それらを除くと、
の2つが該当するといえます。
ピアジェよりジャガールクルトのほうが価格帯は安いものの、雲上ブランドに対するムーブメント供給実績などがあるため、両者はともに最高級といえるでしょう。
パテックフィリップやロレックスを見ると、腕時計の人気要素としては、「マニュファクチュール」「最高級」という点が重要だといえますが、パテックとロレックス以外でそのような要素を持つのはピアジェとジャガールクルトしかないということは、なかなか良い要素だと感じます。
しかし、ピアジェもジャガールクルトも、中古相場を見る限り、あまり人気といえる状況ではなく、相場が読みづらかったり、安定しない傾向があるのです。
例えばジャガールクルトの場合、同じ型番でも価格のばらつきが激しく、相場を判断できないモデルが多いように感じます。
特に2018年はそういった傾向が以前より強く、記事化するのがなかなか難しい状況となっています。
そんなジャガールクルトの中で今、価格のばらつきが少ないのがこのレベルソスクアドラのホームタイム。
この時計も現在、1つだけ40万円台という個体があるため、一見すると他のJLCのようにばらつきと感じるところですが、40万円台の個体は「不動」という状態です。
よって、ABランク以上のモノは50万円台という水準であり、2017年6月と比較して値上がりしたといえる状況です。
その変動額は、3万円という水準ですが、40万円台から50万円台になったという点はレベルソスクアドラにとっては大きいと感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
|
|
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年6月 の安値(楽天) |
2018年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
ジャガールクルト
レベルソスクアドラ ホームタイム Q7008420 |
中古 | 1年 5ヶ月 |
¥498,000 | ¥528,000 | 30,000 | 106.02% |
このレベルソスクアドラホームタイムは、GMT機能を備える存在ですが、第二の時刻を表示する必要がないときは、GMT針が短針と重なります。
こういった機構や、AM・PM表示の小窓など、マニュファクチュールらしいコンプリケーション的機能が備わっており、機能面からすると、この価格帯で入手できるのはお買い得感を感じます。
ですから、50万円台となっても、相変わらずお得感があるといえます。
JLCは、マニュファクチュールと最高級という要素を持ちながらも、なぜ高く評価されないのでしょうか。
その答えとして、考えられるのはモデル数が多かったり、モデルチェンジのスパンが短めという点がありますが、それは他のブランドにもいえる傾向があります。
筆者としては、ジャガールクルトに対して、最も強く「ここがもったいない」と感じるのは、ステンレスモデルが多い点です。金無垢モデルをメインにして、ステンレスを減らせば、「高級」という要素がもっと分かりやすくなり、人気が高まるのではないかと考えます。
ジャガールクルトは、マスタージオグラフィークやレベルソデュオなどコンプリケーション的なモデルにも、SSと金無垢を用意し、SSが当たり前として存在するという印象があります。
それをパテックフィリップのように“金無垢が基本でSSはレア”としたらならば、ずいぶんブランドの印象が変わると思うのです。