現在パテックフィリップの中で安く買えるという印象の3978ですが、2011年には更に安く売られており、「安い」という印象がある割には立派に値上がりしているという側面もあるモデルです。
ちなみに、2011年1月の価格は相場とかけ離れた個人売買というような事例ではなく、法人が設定した価格です。
ゴールデンエリプスといえば“2針の青文字盤”という印象がありますが、この3978は“白文字盤ローマン+スモセコ”という内容。
ノーチラスで例えるならば、90年代に存在した3800の黒文字盤に相当するという印象です。
この時計、写真では伝わりにくいのですが、実物はとても高級感があり、特に竜頭を回した際の「カチッ」という感じは、すごく上質だと思わせられます。
大きさは今の基準では小さいともいえますが、個性的な形であるエリプスは、本体が小さくてもとても大きい存在感があると感じます。小さいことは、普段使いにおいてもつけ心地が良いという高価をもたらす可能性があります。
つまり、
というように、「普遍的」と「個性的」という共存が難しい要素がうまくまとめられた1本であると感じます。
そして、良い内容であるのにもかかわらず、55万円で買うことができる。
この時計こそ、「通の1本」といえるのではないでしょうか。
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