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ピーク時を上回る水準、ヨットマスター16622

16622は2019年5月に約77万円となった際、「過去最高値に匹敵する中古水準」だといえる状態でしたが、その後も値上がりし、2019年12月には約80万円となりました。

そして、2020年3月には約76万円に下落し、再び70万円台に戻ります。その後5月に回復したものの、約78万円といったところにとどまっており、80万円台には戻っていなかったわけです。

ですから、これまでのピーク水準は2019年12月の約80万円となるわけですが、今回約81万円というボトム価格になったことにより、80万円台回復と同時に、過去最高値中古水準を更新したといえるのです。

この“過去最高値”とは、筆者が調査した過去のボトム価格及び、記事で紹介した水準を上回るという意味ですが、これを超える中古水準はおそらく1999年のデビューに「あったかどうか」といったところでしょう。16622は99年のデビュー時に、当時の新品実勢価格が一時プレミア価格となっていましたが、その際中古も定価を超える水準だったかは不明です。仮に99年頃において、中古が定価を超える状態だったならば、定価の85万円(税別)を上回ることになっていたわけで、それが本当の過去最高値だといえます。

この16622の動きが示すのは、全体的に回復傾向ということだと思いますが、もしも今年3月や5月のように、「他に先駆けた値動き」だったならば、他のモデルでも過去最高値を更新するものが出てきてくるということになるでしょう。

2019年上半期に多くのモデルは随分上昇しましたが、その後2度に渡る下落トレンドによって、2019年上半期水準を更新できていない状況であるため、ピーク水準を超えるモデルが出てくるか興味深いと感じます。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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