腕時計投資新聞

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2016年10月3日更新

4段表記の文字盤は2年間だけ作られた、ロレックスデイトナ16523

4段と言われてもなにが4段なのか、5桁リファレンスのデイトナのことをよく知らない人は「?」という感じでしょう。

これ、文字盤にかかれている

ROLEX
OYSTER PERPETUAL
SUPERLATIVE CHRONOMETER
COSMOGRAPH

が4段であるということを示しています。

つまり、通常含まれる、

OFFICIALLY CERTIFIED

が省略されているのが4段文字盤なのです。

表現がやや難しいため4段のほかにも

  • 4列
  • 4行
  • などと呼ばれるケースがあり、通称「逆6」のようにニックネームは統一されていない模様です。

    で、なぜ4段モデルが希少かというと、ある一定の時期だけ4段になったから。

    その他の仕様変更の場合「ある年式以降は仕様が変わった」というのが一般的です。例えば、ステンレスモデルのブレスレットには中央が鏡面仕上げと全ヘアライン仕上げが存在しますが、1991年以降に中央鏡面仕上げとなったため、1991年を一つの境目にしてその仕様違いを簡単に確かめることができます。

    それに対して4段表記は1989年から1990年に作られたモデルのみの仕様。

    デビューしてから1988年までは5段で、上記の期間だけ4段になり、それ以降は再度5段に戻ったのです。

    ですから、その2年間だけ作られた4段は希少かつ、なかなか判別しづらい存在。

    そして、そのマニアックな希少性がツボとなり近年では高値傾向の模様です。

    ただし、この手の“わかりづらい”仕様違いはたまに気づかない人が安値で売ってしまうということがあり、相場が安定していないようにも見えるので要注意。

    ただ、相場が安定しているという前提で見たならば、2012年と比較して約64万円というとてつもない値上がり額なのです。

    赤サブのように、ロレックスの場合、微細な文字盤の仕様違いにかなりの価値が出る傾向。

    そして、この16520の4段表記もその例に漏れない存在です。しかし、それに多くの人が気づいたのはどうやら最近の様子。よって今後も、値上がりする傾向はあるのではないかと思います。

    特に、

  • ある年式だけの限定仕様
  • 数が少ない
  • 生産終了してから年数が経っている
  • という事情があると高値になる傾向があります。

    よって今、4段表記のデイトナ注目すべき存在なのです。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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