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三雲スポーツを考える「ロイヤルオーク」編、オーデマピゲ14790ST

2001年当時はロレックスブーム真っ只中だったため、注目されるモデルの殆どはスポーツロレックスのステンレスモデルです。

とはいえ、当時はロレックスブームが始まってから3年程度の期間が過ぎていたため、そろそろ“ポストロレックス”という存在に対して徐々に関心が寄せられたという時期でもありました。

また、“次に買う時計はステップアップする”という傾向があるため、例えば1本目に10万円台のオメガ、2本目に30万円台のロレックスを買った人なら、3本目は50万円前後という傾向があったのです。

そしてその予算にバッチリだったのが、当時新品実勢価格が約45万円だったパネライ40mm、約60万円だったフランクミュラーカサブランカ。どちらもブレスレットタイプです。

ただ、当時フランクミュラーを選択する人は、一気に80万円程度までステップアップする傾向もあったため、ステンレスのデイトナまでが現実的な候補となった傾向でしょう。

ですから、約55万円という新品実勢価格だったロイヤルオークは、キャラクター的にも予算的にもポストロレックスとしてとても良いポジションだったのです。

しかし、前途の通り入手しづらいため、買った人は少なかったでしょう。

実際、ロイヤルオークは当時の印象として「かなり高級」というイメージがあり、55万円という実勢価格より「高い」という印象があったのです。

よって、ポストロレックスを求めていた多くの人にとって候補となることはほぼあり得なかったロイヤルオーク

約55万円という新品価格はカサブランカよりも安く、値上がりした額も60万円以上と、値下がり傾向のカサブランカよりも圧倒的に優秀であるロイヤルオーク

2001年という時期において、カサブランカを買うならロイヤルオークが正解だったのですが、それに気づいた人はいないといって良いでしょう。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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