腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

ブラックアウトは希少でも知名度が高い、エクスプローラー14270

2018年2月25日更新
ロレックスのエクスプローラー14270について斉藤由貴生が執筆。本記事では2016年12月の安値(楽天)と2018年2月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この1年2ヶ月での変動は14万9160円の値上がりだった。

エクスプローラー ブラックアウト 14270についての考察(2018年2月)

2000年前後といった時代から、通常の仕様とは異なる要素を持つレアモデルが高値となる現象があります。

例えば「ダブルネーム」モデルなどがその代名詞的存在だといえ、通常モデルに併行してごく少数が販売されたという点が特徴的です。

レアモデルとして評価されているモデルの中には、現行だった時代に評価されず、生産終了となった後に評価されたモノがあります。けれども、仕様違いモデルの場合、現行の時代において通常モデルと併行して生産されているという点が異なります。

とはいえ、仕様違いモデルには謎が多いため、併行して生産されたのか、そうでないのかは謎であるのです。

この謎というポイントが、さらにレア感を強くし、面白い要素となります。

その仕様違いモデルの中でも特に有名なのがエクスプローラー「ブラックアウト」

ブラックアウトには種類があり、「3・6・9が黒ライン」のモノと214270のようにライン自体がない」というモノが存在します。

黒ラインのブラックアウトは14270の初期モデルにしか存在しない模様ですが、ROLEX表記部分が通常の“白”に対して銀文字であるなどの特徴がある模様です。

この黒ラインのブラックアウトモデルは、見た目も格好良く、ミステリアスな素性とともに長年高値な傾向。

14270の通常文字盤が30万円台後半だった2016年12月には、96万円という価格であるように、通常モデルに対して2倍以上という相場となっています。

通常モデルとの差は文字盤以外に無いため、単純に考えると文字盤代が50万円以上ともいえるブラックアウト。

そして、万が一文字盤交換が必要となる際は、おそらく通常文字盤に戻ってしまうだろうという危険性もあります。

そのため、気軽に普段着けるということにはハードルが高く、なにかとお得感の無い存在だといえるでしょう。

しかしこのブラックアウト、2016年12月から15万円近くも値上がりしており、通常文字盤の14720よりかなり高くなっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2016年12月
の安値(楽天)
2018年2月
の安値(楽天)
変動額 残価率
ロレックス
エクスプローラー
ブラックアウト
14270
中古 1年
2ヶ月
¥969,840 ¥1,119,000 149,160 115.38%

14270のブラックアウトは従来から高値であり、腕時計好きの間では有名なモデル。

レアモデルと言われるブラックアウトですが、

  • 個体数が少ない
  • 有名
  • という2点があるからこそ値上がり傾向となるのだと思います。

    以前お伝えしたヴァシュロンコンスタンタンのカレヒストリークなどは、600本限定というレアモデルかつ良い要素がある時計ですが、目立った値動きをしない傾向があります。

    カレヒストリークとブラックアウトは共通してレアモデルですが、異なるのは「有名」という要素の有無です。

    つまり、レアモデルとして評価されるためにはある程度の知名度が必要ということがこのブラックアウトの事例から分かります。

    この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
    本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。