2000年前後といった時代から、通常の仕様とは異なる要素を持つレアモデルが高値となる現象があります。
例えば「ダブルネーム」モデルなどがその代名詞的存在だといえ、通常モデルに併行してごく少数が販売されたという点が特徴的です。
レアモデルとして評価されているモデルの中には、現行だった時代に評価されず、生産終了となった後に評価されたモノがあります。けれども、仕様違いモデルの場合、現行の時代において通常モデルと併行して生産されているという点が異なります。
とはいえ、仕様違いモデルには謎が多いため、併行して生産されたのか、そうでないのかは謎であるのです。
この謎というポイントが、さらにレア感を強くし、面白い要素となります。
その仕様違いモデルの中でも特に有名なのがエクスプローラーの「ブラックアウト」。
ブラックアウトには種類があり、「3・6・9が黒ライン」のモノと「214270のようにライン自体がない」というモノが存在します。
黒ラインのブラックアウトは14270の初期モデルにしか存在しない模様ですが、ROLEX表記部分が通常の“白”に対して銀文字であるなどの特徴がある模様です。
この黒ラインのブラックアウトモデルは、見た目も格好良く、ミステリアスな素性とともに長年高値な傾向。
14270の通常文字盤が30万円台後半だった2016年12月には、約96万円という価格であるように、通常モデルに対して2倍以上という相場となっています。
通常モデルとの差は文字盤以外に無いため、単純に考えると文字盤代が50万円以上ともいえるブラックアウト。
そして、万が一文字盤交換が必要となる際は、おそらく通常文字盤に戻ってしまうだろうという危険性もあります。
そのため、気軽に普段着けるということにはハードルが高く、なにかとお得感の無い存在だといえるでしょう。
しかしこのブラックアウト、2016年12月から15万円近くも値上がりしており、通常文字盤の14720よりかなり高くなっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2016年12月 の安値(楽天) |
2018年2月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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ロレックス
エクスプローラー ブラックアウト 14270 |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥969,840 | ¥1,119,000 | 149,160 | 115.38% |
14270のブラックアウトは従来から高値であり、腕時計好きの間では有名なモデル。
レアモデルと言われるブラックアウトですが、
という2点があるからこそ値上がり傾向となるのだと思います。
以前お伝えしたヴァシュロンコンスタンタンのカレヒストリークなどは、600本限定というレアモデルかつ良い要素がある時計ですが、目立った値動きをしない傾向があります。
カレヒストリークとブラックアウトは共通してレアモデルですが、異なるのは「有名」という要素の有無です。
つまり、レアモデルとして評価されるためにはある程度の知名度が必要ということがこのブラックアウトの事例から分かります。