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現在相場考察

極めたオーソドックスは強い個性、カラトラバ5196G-001

2018年11月9日更新
パテックフィリップのカラトラバについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年12月の安値(楽天)と2018年11月の安値(楽天)を比較し現在相場を考察。この11ヶ月での変動は7万5600円の値上がりだった。

カラトラバ 5196G-001についての考察(2018年11月)

最もオーソドックスパテックフィリップといえば、96シリーズですが、現行である5196は2004年にデビューしたモデルです。

シンプルな文字盤、手巻きのムーブメント、スモールセコンドという内容は、歴代96と変わることなく、各世代のモデルスパンが長いという点も共通しています。

96といえば、5196以前の3796ですら30mmというかなり小ぶりなサイズでしたが、この519637mmというサイズでデビュー。

当時は、一気に大きくなったことから『大きすぎる』というようにも言われていたこのカラトラバ。また、その時代はパネライをきっかけとした「デカアツブーム」だったため、パテックフィリップもそれに影響されたと思われていたのも「ブレない」パテックフィリップが「ブレた」と思われてしまったのかもしれません。

しかし、今となっては37mmというサイズは丁度よく感じ、まさに長寿モデルのカラトラバとしては、2004年に「先を見据えていた」ということが分かります。

ですから、パテックフィリップは「ブレていなかった」わけですし、この96シリーズの普遍性もまったく損なわれていないということになります。

これほどまでに硬派にブレないという腕時計は珍しく、それはそれで1つの強い個性だと感じます。

しかし、このカラトラバは、最もオーソドックスな存在であるため、その普遍性が「レア」とは反対の評価となっても仕方がなく、相場的な意味合いでの普遍性があっても不思議ではないといえます。

しかし、このカラトラバ5196Gは決して値動きしないということはなく、2017年12月から約11ヶ月の間で7万円以上の上昇となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年12月
の安値(楽天)
2018年11月
の安値(楽天)
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
5196G-001
中古 0年
11ヶ月
¥1,598,400 ¥1,674,000 75,600 104.73%

カラトラバには様々なモデルがありますが、オーソドックスな見た目のモデルはあまり値動きしない傾向があるように感じます。

例えば、カラトラバの中で今年目立った値動きとなっているのは、特徴的な見た目の5269Gですが、好き嫌いが分かれそうなデザインだといえます。

それに対して、誰にも嫌われないようなシンプルなデザインのカラトラバは、目立った値動きとなっていない傾向があり、この5196Gもそれらと同様という印象があります。

しかし、この5196Gは最もオーソドックスな存在ながらしっかりと値動きする傾向があるのです。

このような評価の理由は、先のように、オーソドックスさを極めた結果、それが強い個性となっているということなのかもしれません。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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