最もオーソドックスなパテックフィリップといえば、96シリーズですが、現行である5196は2004年にデビューしたモデルです。
シンプルな文字盤、手巻きのムーブメント、スモールセコンドという内容は、歴代96と変わることなく、各世代のモデルスパンが長いという点も共通しています。
96といえば、5196以前の3796ですら30mmというかなり小ぶりなサイズでしたが、この5196は37mmというサイズでデビュー。
当時は、一気に大きくなったことから『大きすぎる』というようにも言われていたこのカラトラバ。また、その時代はパネライをきっかけとした「デカアツブーム」だったため、パテックフィリップもそれに影響されたと思われていたのも「ブレない」パテックフィリップが「ブレた」と思われてしまったのかもしれません。
しかし、今となっては37mmというサイズは丁度よく感じ、まさに長寿モデルのカラトラバとしては、2004年に「先を見据えていた」ということが分かります。
ですから、パテックフィリップは「ブレていなかった」わけですし、この96シリーズの普遍性もまったく損なわれていないということになります。
これほどまでに硬派にブレないという腕時計は珍しく、それはそれで1つの強い個性だと感じます。
しかし、このカラトラバは、最もオーソドックスな存在であるため、その普遍性が「レア」とは反対の評価となっても仕方がなく、相場的な意味合いでの普遍性があっても不思議ではないといえます。
しかし、このカラトラバ5196Gは決して値動きしないということはなく、2017年12月から約11ヶ月の間で7万円以上の上昇となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2017年12月 の安値(楽天) |
2018年11月 の安値(楽天) |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ 5196G-001 |
中古 | 0年 11ヶ月 |
¥1,598,400 | ¥1,674,000 | 75,600 | 104.73% |
カラトラバには様々なモデルがありますが、オーソドックスな見た目のモデルはあまり値動きしない傾向があるように感じます。
例えば、カラトラバの中で今年目立った値動きとなっているのは、特徴的な見た目の5269Gですが、好き嫌いが分かれそうなデザインだといえます。
それに対して、誰にも嫌われないようなシンプルなデザインのカラトラバは、目立った値動きとなっていない傾向があり、この5196Gもそれらと同様という印象があります。
しかし、この5196Gは最もオーソドックスな存在ながらしっかりと値動きする傾向があるのです。
このような評価の理由は、先のように、オーソドックスさを極めた結果、それが強い個性となっているということなのかもしれません。