116710BLNRは、2013年のデビュー時から、プレミア価格状態が当たり前という印象ですが、ついにプレミア価格状態のまま生産終了となったことになるのです。
いつの時代も“割高”と感じられる価格帯に位置していましたが、この時計は生産終了となったことにより、ついに160万円台という水準にまで到達しているのです。
なお、今回のバーゼルを境に多くの生産終了モデルが出た様子ですが、それらの多くは事実上のマイナーチェンジだといえます。
主な変更内容はムーブメントで、見た目がほぼ変わらないというモデルチェンジは、2000年頃だとリファレンス末尾に「M」が付く変化ということもありました。
ただ、2018年のディープシーと、2019年のヨットマスターなどはいずれもリファレンスが変更となったため、以前のモデルが生産終了という扱いとなるケースがあります。
特に、ディープシーのDブルー文字盤は、2018年のバーゼル後に目立って上昇。ただ、それから1年経った今ではその相場はすっかり落ち着いて、昨年比では10万円単位の値下がりとなってしまっています。
つまり、事実上のマイナーチェンジにあたる変化は、それ以前のモデルがあまり評価されない傾向があるともいえるのです。
しかし、GMTマスター2の場合、ムーブメントが変更された新型には3連ブレスレットの用意がありません。
ですから、GMTマスター2の場合、新モデルと旧モデルとの差が大きく、他のモデルのモデルチェンジとは性質が異なるのです。
ここがロレックスのすごいところであり、人気が高いGMTマスター2への印象をまったく損なわないモデルチェンジを行ったと感じます。
これは、企業のマーケティングの観点でもとても勉強になる事例だといえるでしょう。
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