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ノーチラス初のプチコンプリケーション、5712/1A

ノーチラス、一番の特徴はなんといってもプッシュ式の竜頭です。

防水機能を売りにしている時計なのに、ねじ込み竜頭じゃなくて大丈夫?って心配になりますが、プッシュ式の竜頭で防水だぜ!ってのがノーチラスの良さだったのです。

ちなみにジャンボノーチラスとして98年に復活した3710/1Aノーチラスパワーリザーブ)もプッシュ式の竜頭。

私も所有していましたが、とても怖くて水につけることはできませんでした。

そのため見た目がそっくりでも“3712”のほうは約500万円。

ねじ込み竜頭となってしまったこの5712より約200万円も高いのです。

ちなみに、このプチコン仕様のノーチラスですが基本的に、

  • 5054
  • 5055
  • 5085
  • と同じ、パワリザ&ムーンフェイズ

    上記の3つは90年代からあるプチコンなので、それと全く同じ配置の文字盤ノーチラスが出た時は、ノーチラスにコレ移植しちゃう??

    って思いました。

    しかも、その当時既にノーチラスは高値傾向になっていたので、プチコンノーチラスが出回った時、最初から高めな流通相場だったのです。

    しかも3712のほうはほぼ流通すること無く短期で生産終了。

    この5712が出た時は2006年でしたから、今で言う黒青ベゼルのGMTマスター2のように、高い時期に高い時計として出たため、「それ以上値上がりするの?」と思うぐらいの価格で最初から取引されています。

    とはいえこの5712、2011年にギリギリ300万円を切る相場でした。

    よってそこから約50万円ほどの値上がり。

    50万円、というと結構な値上がりですが、近年100万円以上値上がりするのも“普通”なパテックフィリップにしてはちょっと弱めな値上がりです。

    要するに、それだけ最初から流通価格が高かったのです。

    しかしながら、この手の時計は「高い」と感じてもその時より高くなる現象が起こりうるので要注意。

    まさにいま500万円という相場の3712がそれですね!

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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