生産終了後に急激な上昇をした116710LNですが、それから5月後の今、かつて値上がりした額とほぼ同等の値下がり状態となってしまっているのです。
3月のバーゼル後にこの時計が値上がりした際、筆者は「買っておけばよかった」と思いましたが、今や生産終了発覚前に近い水準で買えるという状況に戻っているわけです。
なお、昨年2018年のバーゼルでも、生産終了後に急上昇し、その後相場が値下がり傾向となったモデルがありましたが、それらとこの116710LNの事情は異なります。
2018年に目立って上昇したのは、ディープシーのDブルー文字盤だといえますが、それは事実上のマイナーチェンジ。大きな変化は搭載するムーブメントであるため、新型と旧型の見た目はほぼ変わりません。
それに対して、116710LNには、後継モデルという存在がなく、現在のGMTマスター2のステンレスのラインナップには、「黒ベゼル」も「3連ブレスレット」も無いのです。
そういった意味では、この116710LNの3月の値動きは、まさに生産終了になった影響だといえるわけで、それには違和感がありません。
ですから、それから5ヶ月が経過したこのタイミングで、なぜ116710LNが急激に下落したのかは謎という感想になります。
昨年のディープシーの場合、3月には「生産終了」というインパクトが大きかった一方、同じような見た目の後継モデルが存在します。ですから、一時的に値上がりした後、相場が冷静になっても不思議ではないのです。
しかし、116710LNには、後継モデルがないため3月時点での印象も、8月現在の印象も「レア」で変わりがないといえ、なぜここまで極端な値下がりになったのかはわからないとしか言いようがありません。
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