2001年からパネライでは、毎年「レガッタ」限定モデルが登場していましたが、その2003年バージョンが、このルミノールクロノPAM00168です。
2003年頃のルミノールクロノといえば、
という印象がありますが、このレガッタクロノもまさにそういった内容となっています。
そして、もう一つその時代のルミノールクロノには重要な点があり、それは、
という点。
しかし、実はこのレガッタクロノグラフにはエルプリが搭載されていないのです。
2003年といえば、パネライにおけるベースムーブメントの転換期という時代で、実際2004年に登場した「デイライト」などもエルプリではありません。
それら“エルプリでない”クロノには、どういったムーブメントが搭載されているのかというと、ETA7753であるのです。
つまりこの168番は、見た目こそエルプリ時代のルミノールクロノと同様であるものの、そのベースムーブメントはETA7753。このムーブメントを搭載する他のクロノモデル同様、裏スケ仕様ではありません。
そういった意味では、人気がない傾向があるのかもしれないといえるところですが、相場を見ると、そのようなことはないと感じます。
むしろ、その価格帯や変動額を見ると、きちんとした人気モデルといえる水準。
現在の水準は約87万円といったところですし、2010年と比べても7万円以上の上昇傾向となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2010年9月 の安値(ヤフオク) |
2019年11月 の安値(ヤフーショッピング) |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
オフィチーネパネライ
ルミノールクロノ PAM00168 |
中古 | 9年 2ヶ月 |
¥800,000 | ¥877,800 | 77,800 | 109.73% |
多くの腕時計が安かった2010年と比べて、7万円程度の上昇という水準は、「あまり値上がりしていないのでは」と思われるかもしれません。
しかし、エルプリ搭載の40mmルミノールクロノを見ると、2010年よりもアベノミクス以降の時期のほうが値下がりしているということもあるわけです。
ですから、40mmルミノールの値動きとして、2010年との比較で7万円の上昇ということは、エルプリと同程度に優秀と見ることができます。
また、この168番の約87万円という水準は、ルミノールクロノのエルプリモデルに近いといえるため、価格帯の面でも、エルプリに匹敵する水準だといえます。
168番は、エルプリという要素がないにも関わらず、エルプリ搭載モデルに匹敵する相場となっているわけですが、なぜそうなのかというと、人気要素があるのだと思います。
168番の人気要素として考えられるのは、
という点ですが、特に「青文字盤」という要素は、今の時代において強い要素だと思います。
そして、それがエルプリ搭載モデルに共通する、
と相まって、魅力的な内容となっているのでしょう。
ちなみに、エルプリ搭載モデルには青文字盤がないため、チタンコンビ、40mmブレスレットといったルミノールクロノで青文字盤の組み合わせがほしいと思ったら、この168番しか選択肢はないと思います。