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現在相場考察

意義ある1本、アクアレーサーWAY201F.BA0927

2020年4月3日更新
タグホイヤーのアクアレーサーWAY201F.BA0927について斉藤由貴生が執筆。本記事では2018年5月の安値(ヤフオク)と2020年4月の安値(ヤフーショッピング)を比較し現在相場を考察。この1年11ヶ月での変動は3万円の値下がりだった。

アクアレーサー WAY201F.BA0927についての考察(2020年4月)

腕時計ファン目線だと、タグホイヤーのイメージは「モナコ」が強いといえますが、そういったコアユーザー向けとは別に、ある意味初心者向けともいえるラインナップがタグホイヤーには存在します。

そういったキャラクターを持つのが、まさにこのアクアレーサーなどの一部モデルだといえますが、腕時計に詳しい方からすると、このWAY201F.BA0927というモデルはGMTマスターにそっくりという印象になるでしょう。

おそらく、ブランド担当者自身もGMTマスターに似ているということは分かっているでしょうし、それでもあえて出したのだと思います。

GMTマスターシリーズといえば、現在、世界的な人気シリーズですから、それに憧れる時計ユーザーは多々いることでしょう。

しかしながら、GMTマスターシリーズを買おうと思ったら、最も安い予算でも100万円近くを覚悟しなければならないでしょうし、新品の青赤を買おうと思ったら200万円といった具合になるわけです。

これまで、腕時計を何本か買ったコアなユーザーであれば、そのような価格帯でも検討するでしょうが、初めて高級腕時計を購入するという方にとっては大冒険ともいえる金額だといえます。

ですから、そのような方々にとって、このアクアレーサーという存在は、まさに入門用の1本として最適だといえ、GMTマスターに似ているということは、決してマイナス要素ではないともいえるのです。

実際、WAY201F.BA0927の新品実勢価格は2018年5月において20万円という水準。GMT機能に加えて、300m防水という性能を持ちながら、そのぐらいの価格帯であるため、1本目の時計としては、かなり「コスパが良い」という判断になりそうだといえます。まして、防水性能はGMTにマスター2に勝っているわけですから、所有満足感を高めてくれる要素も兼ね備えているでしょう。

そういったことから、このアクアレーサーの人気度はそれなりにあるようで、2年前の新品と比べて、現在の中古相場はそれほどの下落となっていないのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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タグ・ホイヤー WAY201F.BA0927 アクアレーサーGMT・キャリバー7 自動巻

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2018年5月
の安値(ヤフオク)
2020年4月
の安値(ヤフーショッピング)
変動額 残価率
タグホイヤー
アクアレーサー
WAY201F.BA0927
新品 1年
11ヶ月
¥200,000 ¥170,000 -30,000 85.00%

2000年代中盤頃、多くの腕時計の定価が高くなり、「それがそんなにするの?」というモデルもあったように感じました。

そういった腕時計は、定価、及びデビュー時の新品実勢価格と比べて、現在の中古水準が驚くほど安くなっているということも珍しくありません。

それに対して、このアクアレーサーは、2018年の新品と2020年の中古水準にそれほど大きな差はなく、目立って値崩れしているわけではないのです。

こういったことから、このWAY201F.BA0927の中古相場には、腕時計の本質を見る目が反映されているのではないかと感じます。

このアクアレーサーは、定価や新品実勢価格が内容の割にお得であるため、現在の中古相場はその価値そのままといったところだと思うのです。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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