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3年で80万円の値上がりというのは嬉しい、パテックフィリップ『ノーチラス』3800

さて、そんなノーチラスですが、いくつか種類が存在します。

もっとも区切りやすいのはミディアムサイズ(33mm)とジャンボサイズ(38mm)というククリでしょう。

<70年代>

  • 3700(ジャンボサイズ)
  • <80年代>

  • 3800(ミディアム)
  • <90年代>

  • 3800(ミディアム)
  • 3710(ジャンボ、パワリザ)
  • <現行>

  • ジャンボ
  • といった具合です。

    上記を見るとミディアムのほうが希少っぽいのですが、2006年にステンレスのモデルチェンジが行われるまで、1982年頃から長らくノーチラスのメインモデルは33mmの3800だったのです。

    で、3800の流通が多いので、3700があると「希少なジャンボ」としてありがたがられ、3800よりだいぶ高い水準で取引されていました。

    アクアノートが登場したのとほぼ同時期に久しぶりのジャンボとして登場した3710は、黒文字盤に独自機構パワリザ搭載とちょっと変わり種な要素が入っていたので、いかにもノーチラスっぽい青文字盤のジャンボサイズに人気があったのです。

    そういった需要を組んで2004年にはジャンボサイズ&青文字盤のノーチラスが久しぶりに登場。

    ただし、ホワイトゴールド仕様のみだったため、当時としてはかなりの高価格だったのです。

    ホワイトゴールドのジャンボが発売ってのもすごく心くすぐられる内容ですが、ホワイトゴールドであるがゆえに手が出しづらい。

    こういう“あこがれにあこがれを重ねさせる”ようなうまいブランディングはロレックスのGMTマスター青赤ベゼル116719BLROにも影響を与えているかもしれません。

  • ジャンボ
  • 青文字盤
  • ホワイトゴールド
  • 裏スケ
  • それがノーチラスにドーンと入っているのですから、フィレステーキにフォアグラとトリュフを乗っけたロッシーニステーキのようなてんこ盛り状態。

    しかしその2年後、ノーチラスがフルモデルチェンジした際に、ステンレスでもほぼ同内容のモデルとなったのです。

    ま、ステンレスとはいえ200万円級という水準は超高級モデルに変わりありませんが、「ジャンボ」サイズが標準モデルとなったことで、かつてのような「ジャンボ」に対する有り難みが薄れたのは事実です。

    でもってノーチラス自体の相場はその頃ずっと値上がり状態。

    しかも、ミディアムサイズである3800もきちんと値上がりしたのです。

    他のブランドだったら、ジャンボだけありがたがられてミディアムである3800はかつての価格キープってのもありえますが、ノーチラスはそんなことありません。

    そしてそれからリーマンショックが起こり、一時的に安くなりましたが、現在では安くても約170万円と非常に高い水準をキープ。

    ちなみに、3800は長期間製造されているため、1985年に製造されたモデルも2000年に製造されたモデルも基本的に変わりはありませんが、一応比較対象はデイト表示が黒背景の80年代モデルに統一しました。

    でもってこの3年で値上がりした額は80万円以上

    たった3年で80万円。。

    非常に良い投資だったと思います。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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