いかにもコンプリケーションらしいGMT機構と左右非対称な文字盤デザインが魅力的なジャガールクルトのマスタージオグラフィーク。
ジャガールクルトといえば、古くから存在するマニュファクチュールブランドで、雲上ブランドへのムーブメント供給もよくあるといった印象があります。
そういったことから、このマスタージオグラフィークの中古相場は漠然と100万円以上でも不思議でないと思うところですが、2020年現在でも100万円を大きく下回る額で購入可能という状況です。
2013年以降の中古腕時計相場は値上がりといった様子で、特に2017年からその加速度が強くなっている傾向があります。そういった相場を見て「高いから買えない」といっている方をたまに見かけますが、そのような方にとって、あまり相場が変化しないこのマスタージオグラフィークという存在は、まさに要件を満たすと思います。
そういった意味では、この時計は「穴場」といった存在感なのですが、穴場は多くの人に知られると、結果的にメジャーとなってしまいます。
そうであるならば、このマスタージオグラフィークも「キャラクターの割に安い」という状況は一時的であるはずなのですが、長期に渡ってそのような様子が続いているのです。
現在、マスタージオグラフィークの142.8.92は約54万円という水準となっているのですが、これは2年前と比べてほとんど変わっていない状況です。
そして、その2018年6月水準もまた、2016年11月の約55万円という水準と大きく変わっていなかったわけです。
ということは、この142.8.92は、2016年11月頃から3年以上大きく変動していないわけで、良い内容でありながら、ずっと「お得」という様子となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年6月 の安値 |
2020年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ジャガールクルト
マスター ジオグラフィーク 142.8.92 |
中古 | 2年 1ヶ月 |
¥528,000 | ¥549,780 | 21,780 | 104.13% |
2016年11月といえば、多くの腕時計が一時的に下落していた時代ですが、その時期116710BLNRは90万円を切る状況となっていました。
その後116710BLNRは上昇し、今では140万円台後半となっているわけですが、2016年⇒2020年ではそのような派手な上昇となって腕時計は多々あるわけです。
けれども、142.8.92の水準は2016年11月と2020年6月との比較で、1万円程度の変化という様子。こんなに良い内容でありながら、なぜ変動しないのか不思議ですが、その答えを一言でいうならば需要がそれほど高くないということになるのでしょう。