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2021年1月31日更新

阿部泰治のパテック論 ~第44回~ ノーチラス廃盤!?

みなさん、こんにちは。

緊急事態宣言が出て、3週間ほど経ちますが皆様いかがお過ごしでしょうか。時計に限って言いますと、当店のみならず、業界として「資産性が高い」と思われるモデルの価格は上がっており、売れ行きも活発になっている印象でございます。

さて、今回はあくまでまだ噂話の域ではありますが、現行の『ノーチラス』が廃盤では?という話が巷で上がってきていましたので、少しお話をさせていただきます。

ノーチラス』廃盤の真相

いまや【 パテックフィリップ 】の1番人気モデルともいえる『ノーチラス』は、今年2021年で生誕45周年となります。

今回、廃盤(*業界では『discontinued』略してディスコンという)の噂が立ったのは、こういったところからも考えられます。私自身は数年前にもメガコレクターのお客様から同様の話を聞いていたこともあり、当時も有り得る話だなと思いながらも、そこまで真剣には捉えていませんでした。

遡ること一昨年の2019年に、3針モデルのシンプルな『ノーチラス』「Ref.5711」については、長らく続いていた搭載ムーブメント「Cal.324 S C」から、ハック機能付きで日付変更の禁止時間帯がない「Cal.26-330 S C」に変更されてます。このような観点からは、廃盤はまだ早すぎるのか?という推測も出来ます。

ノーチラス』プチコンプリケーション 「Ref.5712」

一方で、ロングセラーモデルである『ノーチラス』のプチコンプリケーション搭載モデルの「Ref.5712」は、文字盤の若干の色味の変更が後年の18KWG(ホワイトゴールド)素材で感じられましたが、その他の基本的な仕様変更はなく、廃盤もしくはモデルチェンジなども考えられなくはないと思います。

アクアノート』「Ref.5167」

こういった視点でみていくと、現行モデルである、シンプルな3針モデル『アクアノート』「Ref.5167」も、長らく『ノーチラス』に使用されていた「Cal.324 SC」を搭載しており、来年の2022年が”生誕25周年”にあたるため、ディスコンとなる可能性が見えてきます。

生誕45周年である『ノーチラス』のモデルチェンジが今年行われれば、現行『アクアノート』の廃盤およびモデルチェンジも、来年有り得るかもしれないですね。

ただ、面白いもので市場に売りに出されている3針モデルの『ノーチラス』特にSS(ステンレススチール)素材の「Ref.5711」が、ここ数日で明らかに少なくなってきております。

人気モデルである『ノーチラス』と『アクアノート』ですので、やはりこの辺りは噂も動きも活発であると思います。

もちろん、公式にアナウンスされている情報ではございませんので、あくまで「噂の域」で考えた方が良いかと思います(笑)

直近販売実績のご紹介
Ref.5726A-001 ノーチラス・アニュアルカレンダー SS

アニュアルカレンダーを搭載し、SS(ステンレススチール)素材×革ベルト仕様の『ノーチラス』「Ref.5726A-001」は、今から約10年前の2010年に発表されました。

私が最初に抱いた印象としては『ノーチラス』にわざわざこのムーブメントを搭載して、厚みがあるケースとなるのは『ノーチラス』のムダがない美しいケースデザインを損なうのでは?というところでした。発表当時、同じような思いを抱かれた方も多かったのではないでしょうか。

ただ、時代が変わり『ノーチラス』全般に人気が集まり、価格も高騰してくると、時計の再認識、再評価はやはり起こります。私も久しぶりにこのモデルを実際に見ましたが、厚みから感じる迫力はありつつも、SS(ステンレススチール)素材を使用することで上手くまとめあげられた時計だなと思いました。

SS(ステンレススチール)素材×革ベルト仕様の『ノーチラス』はこのモデルしか存在していません。ビジネスシーンはもちろんのこと、カジュアルな装いも腕元を上品に演出してくれる時計であると思います。

まとめ

少し脱線しましたが、『ノーチラス』の廃盤についてはいかがでしたでしょうか。

ROLEXもそうですが、毎年ディスコンの話はいい意味で盛り上がりを見せる話題でありますね。(笑) 特に今回は「人気」「資産性」ともにトップクラスの『ノーチラス』ということで、より知りたい方が多いことだと思います。

身も蓋も無い話となってしまいますが、どちらにしても、素晴らしいモデルであるため、ディスコンがどうこうという話ではなく、良いな!欲しいな!と思った時が買い時なのかな?と思います。(笑)

パテックフィリップ 】の時計は圧倒的に市場に売りに出されている個体が少ないです。私自身は、今までの価格変遷や動向をずっと見てきていますので、ご購入・ご売却はもちろんのこと、現状相場を踏まえ単純なご相談にも親身に受け応えさせていただきます。

この1年は、毎日のようにニュースを見ていると暗い話題が多いですが、様々な事を「予想」「予測」し時計の売買をすることは、高級時計の楽しみ方のひとつでもあると思います。まだまだ先の話になると思いますが、今年の新作はなにか?どのモデルが廃盤になるのか?みなさんも楽しみながら時計ライフを充実して頂ければと思います。

では、また!

●この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。

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