この116番はなぜ評価されているのかというと、この「ブラウン文字盤」という要素がかなりな評価となっている模様です。
この116番含め、当時のパネライはチタンを“変わり種枠”といったポジションにしており、SSだと黒文字盤が採用されるのに、チタンにはブラウン文字盤を採用。このチタンモデルは、PVDの後継という役割もあったわけですが、実はこのブラウン文字盤という要素、現行当時はかなり人気がなく、最も入手しやすいパネライの1つという感覚だったわけです。
そのため、パネライは116番の後継モデル、176番からチタンにも黒文字盤を採用したわけですが、その結果、「ブラウン文字盤がレア」という文脈が成立してしまったようです。
なお、チタンの登場は2000年の55番(ベース)と61番(マリーナ)ですが、2002年に裏スケ化された際、SSと同様にモデルチェンジ。55番が116番に、61番が118番へと変化しています。(限定モデルのチタンルミノールは1999年以前にも存在)
そして、2003年に『茶⇒黒文字盤』となったため、116番は176番へとチェンジされてしまった結果、生産年は2年ということになるわけです。
ただし、55番を含めると、その生産年は4年。また、55番も116番同様に「2年しか作られていない」となります。
ここからが興味深い点なのですが、主だったブラウン文字盤ルミノールの現在ボトム価格を比べてみたいと思います。
61番以外、いずれも、同世代ルミノールよりも相対的に高い価格帯となっているわけですが、116番が抜きん出て高いわけです。
そして、興味深いのは、この「ブラウン文字盤」の場合、裏スケ化された“新しいモデル”のほうが評価されているという点です。
『“通常裏ブタ”VS“裏スケ”』では、“通常裏ブタ”のほうが高いという場合が多いわけで、実際、2番と112番などの相関でも「2番のほうが高い」という傾向があります。
これは、パネライの「古いほうが高い」という文脈にも一致しているため、分かりやすい序列だといえるでしょう。
しかしながら、ブラウンチタンの場合は、裏スケのほうが高いというように、「新しいほうが評価されている」という状況があるわけです。
そういった意味で、この116番という存在は、なにかと他のパネライ文脈とは異なる評価がされていると思います。
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