約36mmというケース。そして自動巻搭載というこのカラトラバ。
36mmというサイズは今となっては普通ですが、5032は1990年代のモデルなので、当時としては異常にデカいカラトラバということになります。
なにせ当時はノーチラスも3800しか作られていませんし、ジャンボサイズの3710/1Aやアクアノートのラージが出るのは97年ごろのこと。
ノーチラスが33mmだった頃、超シンプルな2針のカラトラバが36mmというサイズですよ。
これはとても驚きの大きさです。
で、搭載される機械にもまたびっくり要素があります。
パテックフィリップの自動巻といえばキャリバー315か240。
315が普通サイズのローターを搭載するのに対して240は小ぶりのローターを搭載します。
240がよく搭載されるのは5時位置にスモセコを搭載するモデル。
カラトラバだと5000、プチコンだと5054とか昨今人気のプチコンノーチラスがそれに該当します。
この5032に搭載されているのはキャリバー240のほう。
なぜ、シンプル2針のこの時計にキャリバー240を搭載したのでしょう。
この時計であれば315を搭載するのが当たり前のようにも思われます。
なぜ240、と思いましたが、理由はこの時計の厚さをみれば分かりました。
この5032、ボリューム感のあるフェイスデザインが分厚い時計のような印象を与えますが、実際は薄いのです。
ということで、薄くしたかったからキャリバー240を搭載。
240の厚さは2.53mm、315の3.22mmと比べて薄いムーブメントなのです。
ということで、
というレア仕様のカラトラバ。
マニアック過ぎて横を素通りしてしまいそうですが、安い時に見逃さず買っておけば、結構な値上がりを体験出来た時計です。
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