従来、アクアノートのラインナップは『SSもしくはYG(RG)』とシンプルでしたが、2017年に「もう一つのケース素材」としてこの5168G-001が追加。
「G」の通り、ホワイトゴールドのアクアノートであるわけですが、文字盤が「青グラデーション」というように、それまでのアクアノートとは一線を画する存在だといえます。
このような特殊なアクアノートがなぜ登場したかというと、それはアクアノート誕生20周年を記念してということだったようです。
アクアノートの登場は1997年ですが、この5168G-001は2017年にデビューしています。
このような特殊な経緯をもって登場した5168Gですが、2019年には「緑」の5168G-010が追加。パテックフィリップの場合、「カラーバリエーション追加」という際に、従来からあるモデルを生産終了することがありますが、この5168Gの場合は、緑追加後も青が継続。2021年現在でも、5168G-001と5168G-010は現行モデルとなっています。
ただ、このように「併売」となったことは、「青」に対する印象を弱めてしまうという効果があるかもしれません。
この「青グラデーション」のアクアノートは、2017年の追加時は「特殊なアクアノート」という印象でしたが、2019年に「緑」が追加されたことによって、“特殊な”というイメージではなくなったように感じます。
そういった意味では、かつてよりも特別感が弱くなったといえる5168G-001ですが、現在水準はどうなっているのでしょう。
その答えは、「1年前よりも178万円ほどの上昇」であるわけで、決して評価されていないわけではないということになります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2020年3月 の安値 |
2021年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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パテックフィリップ
アクアノート 5168G-001 |
中古 | 1年 2ヶ月 |
¥6,578,000 | ¥8,362,000 | 1,784,000 | 127.12% |
2020年3月時点で約657万円だったこの5168G-001は、現在では約836万円というボトム価格に到達。600万円台でも「高い」と感じられたのに、今や800万円台となっているわけです。
なお、2018年5月水準は約545万円だったため、この5168G-001は過去と比べるとかなり高くなったといえます。
とはいうものの、実は「特別感」という観点では「弱い」という部分もあります。
先日の5164A-001の記事でもお伝えしましたが、実はこの5168G-001、5164A-001よりも安い水準に位置しているのです。
5164A-001はものすごく人気のあるアクアノートでありますが、そうはいってもこれまでの事例ではこの5168G-001よりも「高い」ということはありません。
それが現在、5168G-001よりも5164A-001のほうが高い序列となってしまっているわけですから、5168G-001に対する「特別感」は過去よりも弱まったといえるわけです。