当時のブルガリブルガリは33mmだったので、38mmのクロノグラフはだいぶ大きく見えました。
しかし、この大きさは、一部のユーザーたちには好意的に受け入れられ、その後のブルガリの時計作りの方向性を決めたモデルといっても良いでしょう。
ベゼルに書かれている「BVLGARI・BVLGARI」は33mmではそこまで主張していないものの、38mmとなると「ブルガリ!ブルガリ!」と声をあげて主張しはじめます。
33mmのブルガリブルガリが、どちらかと言うとパテックフィリップのカラトラバよりなら、38mmのブルガリブルガリはフランクミュラーといった感じ。
“分かりにくい”前者に対して“分かりやすい”後者。
確かに、2016年現在のように大型化された腕時計を見慣れた現在、この38mmのブルガリブルガリは近代的な時計にも見えます。
しかし、ここ最近のブルガリの人気は以前とは比べ物にならないほど陰りを見せています。
ブルガリが、“分かりやすい路線”になった2000年から2010年ぐらいまではそこそこ好意的に受け入れられていたようですが、分かりやすいという時計は慣れたら魅力が半減するのでしょう。
ブルガリ以外でも、比較的分かりやすい時計はここ最近値下がり傾向です。
とはいえ、流行は繰り返したりするので、今後分かりやすい時計の復権はあり得ることでしょう。
ただ、その時人気となるのは、その時代において最新の分かりやすい時計。
過去の分かりやすい時計は、価値がつきにくいのです。
とはいえ、それはあくまで流行りモノの話。
ブルガリブルガリは、今でこそありがたがられていない時計ですが、本来ノーチラスやロイヤルオークとならぶジェラルドジェンタデザインの名作です。
しかも、ブルガリの時計作りにはきちんとした哲学も存在。
特に90年代後半のモデルは素晴らしいと思います。
このクロノグラフ、ブルガリブルガリの中では比較的相場が高めの人気のあるモデルでしたが、今年に入ってから値下がり傾向。
とはいえ、35mmのスポーツクロノよりも高いので、今はまだ“分かりやすい路線”のブルガリのほうが人気があるのかもしれません。
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