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2022年9月9日更新

阿部泰治のパテック論 ~第123回~ 『グランドコンプリケーション』「Ref.5270G-001」/「Ref.5270/1R-001」

本日は『グランドコンプリケーション』モデル「Ref.5270G-001」と「Ref.5270/1R-001」の魅力的な2本が同時入荷となりましたので、ご紹介していきたいと思います。

是非最後までお楽しみください。

【目次】
◆ 「Ref.5270G-001」 『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』18KWG
◆ 「Ref.5270/1R-001」 『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』18KRG
◆ まとめ

「Ref.5270G-001
『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』18KWG

1986年~2004年頃まで製造されていた、三代目『パーペチュアルカレンダークロノグラフ』「Ref.3970」の後継モデルとして、2011年に登場した「Ref.5270G-001」。発表時は、今回ご紹介する18KWG(ホワイトゴールド)仕様のみの展開でした。

先代「Ref.3970」からの一番の変更点は、ムーヴメントがレマニアベースの「Cal.CH 27-70 Q」から、完全自社製ムーヴメント「Cal.CH 29-535 PS Q」搭載となったこと。

「Ref.5270」の初代モデルであるこちらは、オパーリンシルバーの文字盤に、酸化ブラック仕上げの時・分針、インデックス、文字盤外周のレールウェイがデザインの特徴です。

二代目以降からは、文字盤外周にタキメータースケールが配されておりますが、マニアの人はもうお気付きですね?そうです、2022年の新作として発表されたPlatinum(プラチナ)ケースにブラックグラデーションのラックグリーン文字盤を採用した「Ref.5270P-014」は、文字盤外周にタキメータースケールではなく、レールウェイを採用しているのです。文字盤デザインを初代モデルへオマージュさせてきた点は、このモデルが「Ref.5270」シリーズのファイナルを飾るのではないか?と、私を妄想させてくれます。

文字盤の基本的なレイアウトは歴代のモデルと変わっておりませんが、新たに4時位置と5時位置の間に閏年サイクル、7時位置と8時位置の間に昼夜を表示した2つの小窓が追加されました。また、3時位置の30分積算針と9時位置の秒針を6時位置に若干下げたことにより、視認性が向上しております。

少し”クセ”に感じた、段になっているラグのデザインも、今となっては”カッコいい”ポイントの一つであり、完成されたケースデザインであると感じます。ちなみに、逆に沿ったようなベゼルは、海外オークションでしかほぼ見かけることができない、歴史的な『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』搭載モデル「Ref.2499」に採用されているデザインと同様です。

サファイアクリスタルのスケルトンバックから眺めることが出来る手巻ムーブメントは、完全自社製ムーヴメント「Cal.CH 29-535 PS Q」。クロノグラフに加えて永久カレンダー機構を搭載しながらも、厚さは僅か7mmに抑えられており、クロノグラフを非作動時にはパワーリザーブも最大65時間を誇ります。

2022年8月には、メーカーでオーバーホールとケース仕上げを行なっており、メーカー修理保証期間がほぼ2年間残っているのは、安心して使用でき、高ポイントですね。これだけの複雑機構を搭載しているので、オーバーホール費用が高いのは仕方ないですが、ケース仕上げを含め、その金額は約40万円、、、時計が1本買えてしまいます。(笑)

付属品は、保証書、「Ref.5270」の取扱説明書、冊子類、パスケース、裏蓋、調整ピン、修理明細書が付属しております。

気になる販売価格は、17,820,000円(税込)

現在、国内では革ベルト仕様の「Ref.5270」はほぼ個体がありません。そして、こちらは初代シリーズということもあり、今後が楽しみなモデルのひとつであるとも思います。

「Ref.5270/1R-001」
『パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ』18KRG

2018年の新作として18KRG(ローズゴールド)ケースに同素材のブレスレット仕様で発表された「Ref.5270/1R-001」。

18KRG(ローズゴールド)×エボニーブラックソレイユ文字盤の組み合わせは、大人の色気をふんだんに感じさせる、とにかくカッコいいモデルですね。一般的に黒文字盤の時計はスタンダードな仕様であると思いますが、【パテックフィリップ】のコンプリケーショングランドコンプリケーションにおいては、ここのところ少なくなってきている印象です。

ちなみに同年には、Platinum(プラチナ)ケース×ゴールデンオパーリン文字盤の「Ref.5270P-001」も発表されました。その文字盤の色味は”サーモンピンク”や”カッパー”と言われるとても趣のあるもので、10時〜2時位置までがアラビア数字のアップライドインデックス仕様となっております。こちらもシンプルにカッコいいですね。

話を戻しまして、こちらの時計は前オーナー様がほぼ着用されていなかったので、保管による細かなスレ、ケース・ブレスレットに酸化による変色は見られますが、極美品と言える状態。

サファイアクリスタルのスケルトンバックから眺める、完全自社製ムーブメント「Cal.CH 29-535 PS Q」は、圧巻の一言に尽きます。

保証書日付は2019年3月。裏蓋や調整ピンを含む付属品ももちろん完備で、手つかずのとても綺麗な状態です。

気になる販売価格は、23,870,000円(税込)

こちらは現行モデルとして販売されており、国内正規販売価格は、27,643,000円(税込)。国内二次流通市場にて販売されている個体も少なく、最も安く販売されている個体でも2600万円(税込)ほど。何度もお伝えをしておりますが、国内での正規販売価格は今年に入って既に2回値上げされており、モデルにもよりますが、約20%ほど上がっております。グランドコンプリケーションのような高額モデルになってくると、、、考えるだけでも恐ろしいですね。気になる方は、是非早めのお問い合わせをオススメいたします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回はオススメの『パーペチュアルカレンダークロノグラフ』「Ref.5270」シリーズから2本ご紹介させていただきました。金額は一旦置いておいて、やはり【パテックフィリップ】の超絶系のモデルは、シンプルにカッコイイですね。

もちろん、些細なことでもいつでもご相談に乗りますので、何か気になる点がある方は、是非ともお気軽にお問合せください。私が全力でサポートさせていただきます!

ではまた!

●この記事の執筆者
阿部泰治
コミット銀座 店主 銀座著名店で長きに渡り高級腕時計を取り扱い、2016年1月、コミット銀座を創業。 ロレックスやパテック・フィリップをはじめとした希少品やコレクターズアイテムを多数扱う実績を持つ。 時計本来の価値、時価を判断し、委託手数料の業界最安値水準を確立。

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