生産終了発覚後に上昇といっても、この116400GV黒文字盤については、シンプルに「生産終了効果で値上がりしてすごい状態!」などとはいえません。
というのも、この約129万円という水準は「過去最高値」ではないのはもちろん、「過去2番目、3番目」といった高値でもないからです。
通常、生産終了効果によって「上昇」した場合、過去最高値更新というのが当たり前だといえますが、116400GVは、「2022年の急上昇時よりも安価」という状態です。
以下、ざっと116400GV黒文字盤の過去相場について注目すべきポイントです。
つまり、現在水準の約129万円は上記と比べると決して高くないといえるわけです。
116400GV黒文字盤は、2008年のリーマンショック時に大暴落した経緯がありますが、2022年1月の中古相場は、大暴落前、すなわち2008年6月水準に「あと一歩」というところまで迫っていました。
しかし、その後の下落トレンドによって116400GV黒文字盤は下落したため、生産終了前水準は約106万円程度といった状態になっていたわけです。
現在水準は、そこから上昇したものの、2022年1月のような150万円台といった状態にはなっておらず、「生産終了によってしっかり上昇した」とは一概にいえないといえます。
相変わらず116400GV黒文字盤の値動きは一筋縄ではいかないわけですが、このモデルに限らず、値動きを考慮する場合は、「今」だけを見るのではなく、「変遷」を見ることが重要だといえます。
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