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さり気なさと強い主張の絶妙なバランスが良かった、ブルガリブルガリBB33SS

この形のBB33SSにはいくつかの仕様が存在し、その内容によって若干の相場が異なります。

  • クオーツ
  • 自動巻
  • 文字盤「BVLGARI」ロゴの有無
  • 最も高いのは文字盤に「BVLGARI」ロゴがある後期型。このモデルのみかろうじて10万円を切らない相場となっている模様です。

    なお、革ベルトのほうはBB33SLとリファレンスが異なるため、混同しないのがブルガリの良さ。

    ちなみに、クオーツモデルには2種類あり、文字盤に何も書かれていないのは普通のクオーツ。文字盤上のAUTOMATICの位置にPERPETUALと表記されているのは永久カレンダーモデルです。

    通常、クオーツの永久カレンダーモデルといえば、その機能を“売り”の1つとするためもっとわかりやすく表現するのが常。例えば、曜日などのカレンダーを文字盤に配置していたり、クロノグラフとセットにしたりして永久カレンダーをアピールしています。しかし、ブルガリブルガリの永久カレンダーは一見するとただのデイト表示にしか見えないのです。

    当然、永久カレンダーですから2月28日の次は「1」と小窓に表示されます。また、「何月何日」と「1・2・3・リープイヤー」までが分かる機能まで存在。それらをこのデイト表示の小窓の中でどうやって示すのかというと、リューズをケース側に長押しすると、自動的に小窓のデイト表示が回転をはじめて、日→月→リープイヤーという順序で示してくれるのです。

    このさりげない永久カレンダーモデルの良さといい、かつてのブルガリにはこういう良き「さり気なさ」があったのです。

    ブルガリブルガリ」という強い主張と秘めた「さり気なさ」の程よいバランスがかつてのブルガリの腕時計の魅力を作り出していたのだと思います。しかし、2000年代中頃より、ブルガリは「さり気なさ」を強い主張へと変化させていきます。そうした結果、「いやらしい」という印象をユーザーに与えてしまい、今のような不人気状態になっているのだと予測できます。

    よって、本来良い時計なのですが、かなり安い水準で買える今、かなり買っても良い時なのかと思います。

    ●この記事の執筆者
    斉藤由貴生
    腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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