1982年から2000年代中盤頃まで、ノーチラスは長きにわたって3800/1Aが現行モデルとなっていました。
それが2005年前後という時期を境目に、ラインナップ構成が一新。コンプリケーションモデルまでもがノーチラスに展開されるようになったのです。
2005年前後といった時期は、まさにノーチラスの転換期といえるわけですが、その時期に“3つのレアモデル”登場。
1つが2004年に出た3711/1G-001、もう1つが2005年登場の3712/1A-001、そして3つ目が2006年登場の5800/1A-001であります。
5800/1A-001は、3800/1Aの後継として登場したモデル。正面を見ただけでは、3800/1A-011と変わりないように思えますが、実は「裏スケ」という特徴を備えています。
ノーチラスは、3711/1G-001から裏スケ化されましたが、5711/1A含め、その多くは「3ピース構造」。ジェラルドジェンタによるデザインの特徴の1つが「2ピース構造」だったため、裏スケ化によって重要な要素を失ったともいえます。
しかしながら、5800/1A-001は「2ピース構造で裏スケ」。レア要素が高いモデルであります。
そのため、2017年頃までは5711/1A青文字盤よりも圧倒的に高い中古相場。レアモデルらしい価格帯に位置していました。
ただ、2017年末頃から5711/1Aが目立った上昇をするようになったため、2019年頃からは5800/1A-001のほうが安価といった状態に変化。
それ以降、5800/1A-001は5711/1A青文字盤と似たような水準となっていることが多いといえます。
さて、前回この5800/1A-001をお伝えしたのはちょうど1年前ですが、その際は5711/1A青文字盤よりも高値となっていました。
では現在までにかけて、5800/1A-001はどういった値動きになったかというと、この1年で50万円の下落といったところ。
現在水準は、5711/1A青文字盤よりも74万円ほど安価となっています。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年9月 の安値 |
2024年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
ノーチラス 5800/1A-001 |
中古 | 1年 0ヶ月 |
¥15,300,000 | ¥14,800,000 | -500,000 | 96.73% |
ノーチラスは、2022年に登場した5811/1G-001から、再び3針モデルでも「2ピース構造で裏スケ」となっていますから、やはり「2ピース」という要素は重要だといえます。
2ピース構造で裏スケという要素が現行に復活したわけですが、この5800/1A-001はSSの3針モデルとしては唯一の「2ピース構造で裏スケ」。
そういった意味では、貴重な1本かと思うのですが、この何年か地味な値動きとなっているのが不思議だと感じます。