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現在相場考察

大きく評価されている、カラトラバ 5096J

2025年1月21日更新
パテックフィリップのカラトラバ5096Jについて斉藤由貴生が執筆。本記事では2023年3月の安値と2025年1月の安値を比較し現在相場を考察。この1年10ヶ月での変動は41万8600円の値上がりだった。

カラトラバ 5096Jについての考察(2025年1月)

「96」系は、パテックフィリップの基本中の基本といえるモデルでありますが、2004年に5196が登場するまで、ケースサイズはかなり小さいものとなっていました。

5196の前モデルである3796は、2000年頃まで現行だったわけですが、ケースサイズは約30mm。

2000年頃の感覚としては、メンズサイズの通常サイズは33mm~36mm、スポーツ系となると36mmや38mm、40mmといったところでしたが、それより遥かに3796は小さかったのです。

その後、2002年頃からパネライが大ヒットしたわけですが、パネライのケースサイズは約44mm。パネライヒットに影響されてか、2000年代中盤頃からは各ブランドのサイズが拡大し、42mmといった腕時計が一般化していったといえます。

現在では、逆に「モデルチェンジで小さくなる」という事例もあり、2000年代後半頃よりは、“大きなケース”の腕時計需要は落ち着いたといえます。

ただ、30mmが標準といった3796のように小さなサイズの場合、それの「大きなバージョン」に対する需要は高く、実際ゴールデンエリプスなどでもジャンボに相当する3738は高値となっているといえます。

そして、実は3796にも「大きなバージョン」ともいえるモデルが存在。

それがこの5096Jであります。

本記事で参考とした中古腕時計

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パテック・フィリップ カラトラバ YG 5096J-001 YG 手巻

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2023年3月
の安値
2025年1月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
5096J
中古 1年
10ヶ月
¥3,458,000 ¥3,876,600 418,600 112.11%

96系の大きなサイズというと、5196という印象ですが、実は3796が現行だった時期に5096が存在していたのです。

この5096Jは1995年に出たのですが、3796と併売されていたということもあって「上位版」といった位置づけだった模様です。

というのも、この5096Jは“裏スケ仕様”となっているから。3769や5196は裏蓋が通常仕様ですから、5096Jには特別感があるといえます。

そんな5096Jでありますが、現在相場は約387万円となっており、2023年3月といった時期に対しても約41万円の上昇といった様子。

また、5196J-001は現在298万円~となっているのですが、それと比べても5096Jは約89万円高といった状況。

こういったことからしても、5096Jは大きく評価されているといえますが、そういったことに対する理由はやはり「3796に対応する大きなバージョン」ということだと思います。

また、5096Jは96系としては生産時期が短いので、そういった希少性も高い評価となっている理由だといえます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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