従来、「クルドパリ」という要素は、あまり人気とはいえませんでしたが、2021年に登場した6119からは、伝統のクルドパリをモダンなデザインの中に取り込んで、一気に「人気要素」へ転換したといえます。
6119系には、ホワイトゴールドの6119G-001と、ローズゴールドの6119R-001が存在。
6119G-001には、ダークグレーの縦サテン仕上げ文字盤が採用されており、カラトラバとしては最もアバンギャルドなテイストになっているといえます。
それとクルドパリの組み合わせという意外性がとても良いため、デビュー後から定価以上の相場となっている様子があります。
ホワイトゴールドの6119G-001がアバンギャルドな反面、ローズゴールドの6119R-001には、従来からの「カラトラバ像」を踏襲した文字盤が採用。白っぽく見える銀文字盤には、縦サテンの仕上げはありません。
インダイヤルのデザインなどはモダンなテイストが採用されているため、6119G-001ほどアバンギャルドではないものの、従来のクルドパリモデルと比べるとよりモダンな印象だといえます。
こういったことからか、2021年のデビュー時から、RGの6119R-001よりもWGのほうが高い相場でした。
ただ、2023年の下半期頃からはWGが大きく値上がり。
2023年4月時点で6119G-001は498万円となっていたのに対し、現在ではなんと385万円という個体があります。
その一方で、RGの6119R-001についてはWGのような値下がりが見られず。
その結果、2023年頃から6119R-001のほうが高値となっている傾向に変化しています。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年3月 の安値 |
2025年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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パテックフィリップ
カラトラバ 6119R-001 |
中古 | 3年 1ヶ月 |
¥4,070,000 | ¥4,796,000 | 726,000 | 117.84% |
WGの6119G-001は、2022年時点で500万円近い水準だった一方で、RGの6119R-001については400万円程度といった個体が存在。
それが今では、6119R-001は約479万円となっているわけで、2022年水準に対して値上がり状態となっているのです。
ですから、同じ6119系でも、WGの6119G-001は2022年から値下がり、6119R-001は値上がりとなっているため、両者の相場序列が逆転したという次第であります。
従来、あまり人気がないといえたクルドパリを再解釈したかのような6119系ですが、当初はアバンギャルド色が強かった6119G-001のほうが人気だったものの、現在では「程よくモダンでカラトラバらしい」といえる6119R-001のほうが人気となっている点が興味深いといえます。