2002年に「ドライバーズウォッチ」というコンセプトで登場したタンクディヴァン。
タンクといえばカルティエの角形シリーズですが、通常の角形が“縦に長い”のに対し、このディヴァンは“横に長い”といった見た目。
この“横方向に長い”というのが、運転中に見やすいという効果をもたらすようで「ドライバーズウォッチ」たる部分だといえます。
タンクディヴァンの登場と同じ時期に、ロードスターもデビューしていますが、どちらも「自動車」をモチーフとしており、当時のカルティエが“男性向け商品”を強化していたことが分かります。
しかしながら、男性用を強調してデビューしたタンクディヴァンとロードスターですが、どちらも女性からの需要が高かった模様。タンクディヴァンのLMサイズは、男性用向けでありながら、ピンク色のレザーストラップに交換された中古個体を見かけることが珍しくありません。
そんなタンクディヴァンですが、デビューから5年程度でシリーズ廃止となった模様。
2010年代になると、「タンクディヴァン」に対する知名度は低く、そういったことからか中古相場は長らく変わらない傾向がありました。
しかしながら、2020年代になるとタンクディヴァン相場は動くようになります。
ステンレスのLMサイズであるW6300755は、長らく25万円前後という水準が続いていたのですが、2022年には30万円近い状態に変化。2024年2月には約35万円となっています。
さて、今回はそんなタンクディヴァンのK18モデルの状況をお伝えしたいと思います。
LMサイズの自動巻モデルであるW6300856は、人気モデルの多くが「目立った上昇」となっていた2022年2月時点で約65万円という水準でした。
それに対して現在水準はどうなっているかというと、なんと約113万円といった状態。
YGのタンクディヴァンは、2022年春に対して約1.7倍といった相場になっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
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本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2022年2月 の安値 |
2025年4月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
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カルティエ
タンクディヴァン W6300856 |
中古 | 3年 2ヶ月 |
¥657,800 | ¥1,133,000 | 475,200 | 172.24% |
近頃、K18モデルの上昇が目立っていますが、このタンクディヴァンもまたそういった事例の1つだといえるでしょう。
また、カルティエは2022年以降、上昇するモデルが多いため、W6300856のような「K18のカルティエ」という組み合わせは、今において、いかにも上昇しそうだといえます。
ですから、今回のW6300856の変動は「2025年らしい動き」といった感覚になります。