腕時計投資新聞

腕時計の[買う・使う・売る]すべてを楽しむ専門サイト「腕時計投資ドットコム」
現在相場考察

500万円台といった状態、スカルプチャー5091/1A-010

2025年5月1日更新
パテックフィリップのスカルプチャー5091/1A-010について斉藤由貴生が執筆。本記事では2023年7月の安値と2025年5月の安値を比較し現在相場を考察。この1年10ヶ月での変動は154万8000円の値上がりだった。

スカルプチャー 5091/1A-010についての考察(2025年5月)

パテックフィリップのステンレスブレスレットモデルといえば、アクアノートノーチラスが主。その他では、若干のコンプリケーションモデルが存在するといった印象があるかと思います。

しかしながら、1990年代にはもう2つのモデルが用意。

それがスカルプチャーネプチューンであります。

スカルプチャーは、1999年にロシア向けとして限定販売されたモデルなのですが、独特の見た目であるため、「SSブレスレットパテック」としては、これまでかなり安価といえる水準だったといえます。

この5091/1Aを記事で最初に取り上げたのは2016年4月でしたが、その際は約118万円といった水準。

2016年といえば、アベノミクス後、さらには筆者が「腕時計投資のすすめ」を出した後であるため、「時計相場が高い」と言われていた時期であります。

そういった最中において、この5091/1Aは約118万円だったわけですから、SSブレスレットパテックとしては“驚くほど安価”だったといえます。

それが2017年になるとスカルプチャーの相場は変化します。

2017年3月に140万円台となり、2018年3月には160万円台に上昇。

ただ、その後は停滞気味となり、2020年3月時点では150万円台に下がっていた経緯があります。

それが2022年になるとスカルプチャー5091/1Aは急上昇。一気に290万円台に達したのです。

2022年春といえば、「過去最高値更新」となったモデルが多いですが、その後は下落した結果、2025年現在でも2022年春水準を下回っているというモデルが珍しくありません。

しかし、この5091/1Aの場合は2022年春後も相場が伸びており、前回お伝えした2023年7月時点では340万円台となっていました。

ですから、5091/1Aは2022年以降において特に伸びているといった傾向があるといえます。

本記事で参考とした中古腕時計

※広告が含まれる場合があります
パテックフィリップ スカルプチャー 腕時計 5091/1A-010 ブラック メンズ 中古A品

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2023年7月
の安値
2025年5月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
スカルプチャー
5091/1A-010
中古 1年
10ヶ月
¥3,480,000 ¥5,028,000 1,548,000 144.48%

そんな5091/1Aですが、現在水準はなんと500万円台といった状態。

これは、この世代のSSブレスレットパテックとしては「高い方」だといえるわけで、初めて5091/1AがSSパテックらしい評価になったといえる事態であります。

ちなみに、現在同じ世代のSSブレスレットモデル水準は以下の通り。

アクアノート

5066/1A 4,785,000円~
5065/1A 7,180,000円~

ノーチラス

3800/1A 6,580,000円~
3710/1A 16,500,000円

その他

コンプリケーション 5085/1A 3,966,000円
ネプチューン 5080/1A 2,420,000円~

こうしてみると、スカルプチャー5091/1Aは、ラージサイズ系のアクアノートノーチラスを除くと、最も高値といえるため、立ち位置が随分変わったと感じます。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
本コンテンツには、主観的評価、見解、想定における情報が含まれています。運営者及びコンテンツ提供者は、コンテンツ内容の正確性、確実性、完全性における保証を行いません。また、コンテンツ内容にかかわる損害・トラブル等に関する一切の責任を負いません。本サイトに記載されている情報は、特に断り書きがない限り、更新日時点での情報に基づいています。