パテックフィリップのステンレスブレスレットモデルといえば、アクアノートとノーチラスが主。その他では、若干のコンプリケーションモデルが存在するといった印象があるかと思います。
しかしながら、1990年代にはもう2つのモデルが用意。
スカルプチャーは、1999年にロシア向けとして限定販売されたモデルなのですが、独特の見た目であるため、「SSブレスレットパテック」としては、これまでかなり安価といえる水準だったといえます。
この5091/1Aを記事で最初に取り上げたのは2016年4月でしたが、その際は約118万円といった水準。
2016年といえば、アベノミクス後、さらには筆者が「腕時計投資のすすめ」を出した後であるため、「時計相場が高い」と言われていた時期であります。
そういった最中において、この5091/1Aは約118万円だったわけですから、SSブレスレットパテックとしては“驚くほど安価”だったといえます。
それが2017年になるとスカルプチャーの相場は変化します。
2017年3月に140万円台となり、2018年3月には160万円台に上昇。
ただ、その後は停滞気味となり、2020年3月時点では150万円台に下がっていた経緯があります。
それが2022年になるとスカルプチャーの5091/1Aは急上昇。一気に290万円台に達したのです。
2022年春といえば、「過去最高値更新」となったモデルが多いですが、その後は下落した結果、2025年現在でも2022年春水準を下回っているというモデルが珍しくありません。
しかし、この5091/1Aの場合は2022年春後も相場が伸びており、前回お伝えした2023年7月時点では340万円台となっていました。
ですから、5091/1Aは2022年以降において特に伸びているといった傾向があるといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年7月 の安値 |
2025年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
|
パテックフィリップ
スカルプチャー 5091/1A-010 |
中古 | 1年 10ヶ月 |
¥3,480,000 | ¥5,028,000 | 1,548,000 | 144.48% |
そんな5091/1Aですが、現在水準はなんと500万円台といった状態。
これは、この世代のSSブレスレットパテックとしては「高い方」だといえるわけで、初めて5091/1AがSSパテックらしい評価になったといえる事態であります。
ちなみに、現在同じ世代のSSブレスレットモデル水準は以下の通り。
アクアノート
5066/1A 4,785,000円~
5065/1A 7,180,000円~
ノーチラス
3800/1A 6,580,000円~
3710/1A 16,500,000円
その他
コンプリケーション 5085/1A 3,966,000円
ネプチューン 5080/1A 2,420,000円~
こうしてみると、スカルプチャー5091/1Aは、ラージサイズ系のアクアノート、ノーチラスを除くと、最も高値といえるため、立ち位置が随分変わったと感じます。