かつてのデイトジャストは、メンズ(36mm)、ボーイズ(31mm)、レディース(26mm)といったサイズ展開になっていました。
そういったサイズ展開に変化が起きたのは2009年なのですが、その際登場した「デイトジャスト2」が、“大きなメンズサイズ”の始まりであります。
そして、2016年に「デイトジャスト2」という名称は廃止され、「デイトジャスト 41」といった方式へと至っています。
現在では、メンズサイズは41mmが基本となっているといえ、36mmサイズには女性向けといえるような文字盤が展開。もちろん、レディース(28mm)は依然として存在するのですが、36mmまでが実質女性向けとして用意されているような状態です。
そういったことがあるため、31mmのボーイズサイズの役割が、以前とは変わっているように思えます。
というのも、36mmサイズに“女性向け”が存在する今となっては、36mmがかつてのボーイズといった感覚だから。となると、31mmはボーイズというよりも、レディースに近いといった印象になるかもしれません。
さて、筆者はこのところのデイトジャスト事情を詳しく知らなかったため、「31mmサイズ」はすでに廃止となっていると思っていました。
しかしながら、実は現行にも31mmサイズの278240が展開されており、メンズサイズと同じような雰囲気を持つ文字盤も用意されているのです。
しかし興味深いのは、現行に「ボーイズ」が展開されているにも関わらず、5桁世代のデイトジャストでは、メンズとボーイズの相場が逆転するといった現象が起こっている点です。
現在、68247G(銀)は約110万円といった水準に達しているのですが、同世代のメンズサイズに相当する16234G(銀)は約91万円と、ボーイズのほうが高値なのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2018年3月 の安値 |
2025年5月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ロレックス
デイトジャスト 68274G |
中古 | 7年 2ヶ月 |
¥402,557 | ¥1,109,000 | 706,443 | 275.49% |
2018年における68274Gの相場は約40万円といったところでしたが、その時点での16234Gは40万円台後半といった水準。
つまり、2018年時点ではボーイズよりもメンズサイズのほうが高かったのです。
というよりも、ボーイズ(ミディアム)とメンズ(ラージ)といったように、男性向けモデルが2サイズ展開されている場合、大きなサイズのほうが相場が高いというのは、過去も現在も同様。
そうであるにも関わらず、2025年現在の5桁世代デイトジャストでは「ボーイズのほうが高値」となっているわけです。
こういった「ボーイズのほうが高い」という現象が起こるのは、「オイスタークォーツが機械式よりも高値」といったことと似ていると感じます。
オイスタークォーツは、20年以上前に廃盤になっている一方、現在まで継続されている「ボーイズ」がなぜ5桁世代で評価されているのでしょう。
その答えは、おそらく「フルーテッドベゼル」が現行に無いからだといえます。
ボーイズ(31mm)サイズのフルーテッドモデルは、6桁世代の179174で廃止されているのですが、この世代でも「ボーイズのほうが高値(116234よりも179174のほうが高い)」という現象が起こっています。
68274Gや179174は、36mmメンズサイズの雰囲気を保ったまま31mmにしたといった見た目であるため、そこが評価のポイントになっているのだと思います。