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年式違いがもたらす相場差の考察、エクスプローラ114270M番

2012年9月においても現在の相場においても、ルーレットなしよりアリのほうが5万円高いという状況は変わりません。

よって、買うときに「新しいモデルは高い」と感じても、結果良かったということになります。

5年前にルーレット無しの11427025万円で買っても、ルーレット有りを30万円で買っても値上がりした額は同じなのです。

しかし、これは今後変わる可能性があります。

というのも先程の14270の事例を見れば分かることですが、生産終了となってから年数が経ってくると年式による相場違いは少なくなる傾向です。

これ、当たり前といえば当たり前の現象のようにも思えます。

ルーレット有りのように後期型のモデルは、「新しさ」を感じるから価値が付いているわけであり、生産終了から何年も経った頃になると「新しさ」とは違うベクトルで評価される事になります。

よって、年数が経つと「ルーレット無し」も「有り」も同じ個性として評価され、好きな方を好きなように選べる環境となるわけです。

実際、ルーレット有りと無しの価格差は年々現象傾向であり、2012年より以前はもっと価格差がありました。

14270においてシングルロックモデルとダブルロックの価格差がなくなったのは2007年頃であり、同時にその頃よりエクスプローラの人気も落ち着いたように感じます。

かつてはエクスプローラというステンレススポロレ中においてデイトナの次に高いというほど人気な存在でした。

しかし、今ではスポロレの中で最も安いというポジションです。最も、ロレックスの公式な位置づけにおいてエクスプローラはエントリーモデルであるために現在の位置づけは正当に戻ったという見方が正解です。

14270は2000年のP番が最終モデルなのですが、前期と価格差がなくなった2007年頃は生産終了されてから7年目というタイミング。

そして現在、114270は生産終了となってから7年という状況になりつつあります。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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