16700は「II」がつかないGMTマスターの最終モデル。1999年に16700の生産終了をもってGMTマスター自体が廃止されています。
ただ、他のスポーツ系と比べて特に値動きするという傾向がなく、同じ見た目の16710(GMTマスター2)よりも安価という傾向がありました。
そんな16700ですが、去年の10月時点で「過去最高値更新」といった状態。他のスポーツ系が特に目立って上昇しない中、値上がり傾向となっていたわけで、勢いを感じたといえます。
しかしそんな16700は現在、値下がりしてしまっている様子があります。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2024年10月 の安値 |
2025年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ロレックス
GMTマスター 16700 青赤ベゼル |
中古 | 0年 9ヶ月 |
¥1,666,500 | ¥1,517,000 | -149,500 | 91.03% |
16700の青赤ベゼルは、去年の10月時点で約166万円となっていたのですが、現在では約151万円。
この9ヶ月間で約14万円の値下がりとなっている様子があります。
なお現在、ボトム価格に位置する個体は、R番。これは1980年代に製造されたモデルで、“トリチウム”や“シングルロック”といった特徴を備えています。
かつては、“トリチウム”や“シングルロック”といった要素は、不人気だったのですが、現在では逆にそういった要素が人気となっている傾向があります。
特にデイトナ16520などでは、そういったことが顕著で、かつて“高い方に位置したA番(新しい世代)”が現在ではボトムに位置するということが珍しくありません。
それに対して、この16700の場合、現在のボトム価格がR番といった、16700の中でも古い年式に相当するモデル。
現在の価値観では、このような世代は評価されそうなところですが、16700ではそれが評価されていない、つまりボトム価格に位置するというのが興味深いといえます。
ちなみに、16700の最終品番にあたるA番個体も現在約155万円。ボトム価格とあまり大きく変わりない水準に位置しています。
初期世代のR番、最終のA番。前者は初期、後者は最終に当たる年式で、他モデルではいずれも評価ポイントが高くても不思議ではないといえます。
しかし、現在の16700ではいずれの年式も特段評価されていません。
そういった意味で16700は、全体的に「この要素が高値」という傾向がないといえるわけですが、「最後のGMTマスター」という濃いキャラクターを持つにも関わらず、そういったことが起きないというのは意外だと思います。
なお、現在唯一目立って高値となっている16700がありますが、それはチャックイェーガーモデル。つまりダブルネームといった要素を持つモデルであります。