2000年代前半といった時期に登場、なおかつケースサイズが大きめなモデルとしては、これまで安価な印象だった5111系ですが、RGモデルについては現在相場が上昇している様子があります。
なお、5111には、3つのK18とプラチナモデルが用意されており、カラトラバ主力モデルのようなフルラインナップがされていたといえます。
ただ、5111の場合、プラチナモデルはやや特殊。ケースの骨格はプラチナ製なのですが、文字盤前後のパーツがRGとなっているコンビ仕様となっているのです。
これは、構造を見る限り、廉価なプラチナモデルというわけではなく、「プラチナRGコンビ」という凝った内容だと判断することができます。
しかしながら、そういった内容であるにも関わらず、この5111PR-001は長らくプラチナパテック最安値といった傾向があります。
前回お伝えしたのは2023年8月ですが、その時点でも308万円で購入可能となっていたのです。
そんな5111PR-001でありますが、現在水準はどうなっているかというと、なんと265万円。
2023年8月水準に対して、実に43万円の値下がりとなっているのですが、この値動きによって5111PR-001は、プラチナケースでありながら、同世代のK18並といった価格帯になってしまったといえます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2023年8月 の安値 |
2025年7月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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パテックフィリップ
ゴンドーロ 5111PR-001 |
中古 | 1年 11ヶ月 |
¥3,080,000 | ¥2,650,000 | -430,000 | 86.04% |
5111PR-001は、以前からプラチナパテックとしては安価な価格帯に位置するわけですが、その理由として考えられるのが、純プラチナモデルでないということかもしれません。
パテックフィリップのプラチナモデルといえば、ケース側面に小さなダイヤが埋め込められているという特別感がありますが、この5111PR-001の場合はそれがありません。
そういったことから、5111PR-001は構造上はプラチナケースでありながら、イメージとしては准(純ではない)プラチナモデルとなってしまっているのかもしれません。
ただ、5111PR-001は先の通り、凝っているがゆえに「あえてのRGコンビ仕様」であるわけですから、プラチナパテックとしては安価というのはお得感があるといえます。
ちなみに、記事では2015年8月からこの5111PR-001を取り上げていますが、その頃でも約205万円といった状態でした。
現在水準は、2015年8月との比較でも約60万円高といった程度の値動きにとどまっているわけで、他のパテックなどと比べて5111PR-001は相場変化がかなり弱いといえます。
2015年との比較で多くのモデルが高くなったといえる今、この5111PR-001はお得感満載といえる貴重なパテックフィリップだといえるでしょう。