「YGコンビ」、「シャンパン文字盤」というデイトジャストは、ロレックスの王道といったカラーリングだといえますが、90年代後半といった時期から、そのオーソドックスさゆえに、あまり人気がないという印象があります。
コンビのデイトジャストに対する注目度が弱くなった頃から、人気となっていったのが、まさにスポーツモデル。1998年頃にエクスプローラーがプレミアム価格になってから、そういった状態になるスポーツモデルがどんどん増えていったといえます。
しかし今、長年「不人気」だったといえるモデルが、逆に「良い」となっている現象が起きている気がするのです。
その代表例がカルティエのサントスガルベだといえるのですが、長らく相場が安価な状態が続いていたのが、2022年頃から相場が上昇。
何年にも渡って20万円台で売られていたモデルが、現在では80万円台となっているわけです。
そして今、それと同じような感覚が、ロレックスでも起こっていると筆者は感じています。
つまり、デイトジャストやデイデイトといった非・スポーツモデルに興味を持つ人が以前よりも増え、さらにはシャンパン文字盤といったオーソドックスなものが「逆に格好良い」というトレンドが始まっているような気配がするわけです。
さて、今回はそういったオーソドックスな配色のデイトジャストでも、116203を取り上げたいと思います。
この116203は、スムースベゼルのデイトジャストで、モデルによっては3連ブレスレットが装着されています。
ロレックスでは、「スムースベゼル」よりも「フルーテッド」のほうが上級という位置づけのため、K18ベゼルとなるとフルーテッドが標準だといえるのですが、デイトジャストには「K18のスムースベゼル版」が存在します。
ちなみに5桁世代では、オイスターパーペチュアル、デイトジャスト、デイデイトにスムースベゼルとフルーテッドが用意されていましたが、現行世代ではK18ベゼルは、デイトジャストを除くとフルーテッドのみといった展開になっています。
「コンビなのにスムースベゼル、さらには3連ブレスレット」というデイトジャストの意外性は面白く、そうでありながら、「K18コンビ」、「シャンパン文字盤」といったオーソドックスさを抑えている点がたまらないといえます。
また、116203の場合、どことなく118208といった2001年世代のスムースベゼルデイデイトとケース形状といった雰囲気が近いため、その見た目の良さが際立っているとも感じます。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2021年3月 の安値 |
2025年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ロレックス
デイトジャスト 116203 シャンパン文字盤 |
中古 | 4年 5ヶ月 |
¥990,000 | ¥1,509,600 | 519,600 | 152.48% |
そんな116203シャンパン文字盤の現在相場は約150万円となっており、2021年3月水準の約1.5倍といった状態。
やはり、116203シャンパン文字盤は、以前と比べてかなり評価されているといえますが、これまでと違うのは、116203自体の数が減っているという点です。
デイデイトの118208といったスムースベゼルのモデルも同様なのですが、数年前までの感覚からすると、中古売り出し数がかなり減っている印象があります。
オーソドックスな存在でありながら、他とは“少し違う”という「スムースベゼル」のデイトジャストやデイデイトは、今最も旬な腕時計なのではないかと筆者は思っています。