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現在相場考察

ブレスレットより革ベルトのほうが高値、ルミノールPAM00070

2025年8月12日更新
オフィチーネパネライのルミノールPAM00070について斉藤由貴生が執筆。本記事では2017年8月の安値と2025年8月の安値を比較し現在相場を考察。この8年0ヶ月での変動は31万8200円の値上がりだった。

ルミノール PAM00070についての考察(2025年8月)

2005年頃までにおけるパネライのラインナップ構成は非常にわかりやすく、ラジオミールを最上級として、ルミノールクロノ、ルミノール40mm、ルミノール44mmといった序列になっていました。

ルミノール44mmは最も安価という立ち位置だったのですが、これは安価なモデルというよりも、オリジナルに最も近いという印象。サブマリーナーノンデイトのような感覚で、定価は安価でも、中古相場では高値といった傾向があったといえます。

対して、40mmのルミノールは自動巻ムーブメントとなっており、ブレスレットモデルがラインナップの中心だったといえます。

今では、パネライといえば「革ベルトモデル」という印象ですが、2001年頃にパネライが注目された頃は、ブレスレットモデルが人気でした。

当時の感覚としては、革ベルトが中心のパネライにおいて、ブレスレットはレアといったところ。また、ロレックスの影響もあり、「腕時計を買うならブレスレットが良い」と思っていた人が今よりも多かったといえます。

当時、筆者はパテックフィリップのアクアノートを購入したのですが、同じ感覚があったといえます。

アクアノートは、ラバーベルトが特徴的ですが、ブレスレットモデルが一部に存在。筆者は5065/1Aを購入したのですが、ラバーベルトモデルを探すよりも大変でした。

そういった感覚からして、革ベルト(ないしはラバーベルト)とブレスレットが存在するモデルの場合、当然ブレスレットのほうが高値だといえます。

もっとも、定価の観点でもブレスレットのほうが高いわけですから、「革ベルトよりもブレスレットが高い」というのは当たり前ともいえるでしょう。

しかしながら、近ごろでは、ブレスレットの印象が弱いモデルの場合、“ブレスレットが高くない”という場合が珍しくありません。

その筆頭にあるのがアクアノート。現行ブレスレットの5067/1A-001は今年生産終了となりましたが、ラバーベルトよりも中古相場が安価となっています。

そして、そういった現象はパネライのルミノールでも起こっている様子。

このPAM00070は、2000年に投入された青文字盤の40mmモデルなのですが、これまではブレスレットの69番のほうが高値といった傾向がありました。

69番といえば、2017年頃からパネライの中で目立った値動きをした結果、同年12月時点で相場は約55万円に到達。当時のパネライ水準としては「目立って高値」だったわけです。

しかしながら、同じ青文字盤でも革ベルトの70番に関しては、その頃約47万円といった様子。ブレスレットよりも安かったのです。

それが今、70番は約79万円といった状態に変化。

それに対してブレスレットの69番は約59万円であるため、革ベルトのほうがだいぶ高値となっているのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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パネライ ルミノールマリーナ PAM00070 D番 中古 メンズ 腕時計

本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2017年8月
の安値
2025年8月
の安値
変動額 残価率
オフィチーネパネライ
ルミノール
PAM00070
中古 8年
0ヶ月
¥479,800 ¥798,000 318,200 166.32%

なお、69番、70番はオールサテンとなっているのですが、この仕様が現行当時不人気でした。

そのため、2002年にサテンポリッシュのコンビ仕様(黒文字盤、白文字盤と同様の仕様)に変更され、それぞれ119番、120番となっています。

そして、119番を見ても、ブレスレットの120番よりも高値(こちらは約2万円の差)となっているため、やはり以前と比べて革ベルトの立ち位置が変わっているということがわかります。

パネライにしても、アクアノートにしても、ブレスレットが安価という現象が起きているわけですが、どちらもブレスレットモデルの印象が弱いといえます。

かつては、そういった時計に対して「ブレスレットがレア」として評価されたといえるわけですが、今では、象徴的モデルのほうが評価されているように変わったのだと思います。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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