GMTマスター2とサブマリーナーは、機能が異なるものの、見た目が似ている部分があるため、ある種兄弟的なモデルともいえるかもしれません。
そのため、5桁世代からGMTマスター2とサブマリーナーに異なる要素を与えており、例えば5桁のダイヤ文字盤モデルは、GMTマスター2がルビーであった一方、サブマリーナーにはサファイアが与えられていました。
そして、現行126世代では、GMTマスター2のK18モデルにRGが採用。
長年、ロレックスのK18モデルはYGが中心だったのですが、126世代のGMTマスター2のK18はRGのみとなったのです。
その一方、サブマリーナーのK18モデルはYGとなっており、それぞれ棲み分けがなされていたといえます。
しかしながら、2020年代になるとYG人気が以前よりも上昇したためか、GMTマスター2にもYGモデルが復活。
2023年に、コンビモデルともにYGの126718GRNRがデビューしています。
RGモデルのベゼルには、新たな配色が採用された一方、126718GRNRのベゼルは黒。
以前の黒ベゼルと異なり、黒とグレーという2色仕様であるものの、配色の方向性は以前から存在する“YG黒ベゼルのGMTマスター2”そのものだといえます。
これは、オーソドックスといえる見た目であるわけですが、5年ぐらい前だったならば、このようなキャラクターは、K18の中で最も安価だったといえます。
しかしながら、現在の価値観では「オーソドックスが良い」とされているためか、この126718GRNRはRGやWGといった“非・オーソドックス”といえる他のK18モデルよりも高値となっているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2024年1月 の安値 |
2025年8月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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ロレックス
GMTマスター2 126718GRNR |
中古 | 1年 7ヶ月 |
¥6,468,000 | ¥6,697,900 | 229,900 | 103.55% |
もちろん、126718GRNRは2023年にデビューしたため、他のK18モデルよりも新しい分、相場が高いという部分があるといえます。
とはいうものの、この126718GRNRの現在相場はデビュー時水準よりも高値となっており、単に新しいから高いというだけではないといえます。
また、6桁世代(116)の場合、2014年登場のWGよりも、2005年登場のYGのほうが現在相場が高値。
そういったことからも、昨今の相場は新しいほうが必ずしも評価されるわけでないといえるでしょう。
ですから、126718GRNRが最も高値なK18のGMTマスター2となっているのは、「オーソドックス」ということに対する評価が高いからなのだと思います。