今年7月時点で900万円台に急上昇していた3800/1Aの青文字盤。
ノーチラスといえば「青文字盤」という印象が強いですが、1990年代においてはメインカラーを黒文字盤としていたため、3800において、意外と青文字盤の中古個体数は多くない傾向があります。
そのため、近ごろの上昇は当たり前とも感じられるところですが、2023年3月時点では約617万円となっており、「青文字盤」だからといって評価されていたわけではありませんでした。
それが今年になると、一気に青文字盤は高くなったといえ、600万円台だったのが900万円台にまで変化。
そしてそういった勢いは9月にかけても続いており、現在青文字盤はなんと1100万円台といった水準にまで上昇しているのです。
本記事で参考とした中古腕時計
本記事の価格比較
| 腕時計 | 状態 | 期間 | 2025年7月 の安値 |
2025年9月 の安値 |
変動額 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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パテックフィリップ
ノーチラス 3800/1A-010 |
中古 | 0年 2ヶ月 |
¥9,280,000 | ¥11,780,000 | 2,500,000 | 126.94% |
なお、青文字盤の3800には大きく3つの世代が存在。
「-010」といった文字盤を示すリファレンスが投入されたのが1996年頃。また、1980年頃においては、素材を示す「A」といったリファレンス表記が存在しなかったため、青文字盤の3800には、『3800/1A-010、3800/1A、3800/1』といった型番が存在します。
各青文字盤には、年式による仕様違いがあり、最も数が少ないのが3800/1A-010である一方、各世代で相場は大きく変わらないため、記事では以前のモデル含めて3800/1A-010扱いとしています。
ちなみに、今年7月に900万円台となっていた個体は、中期、すなわち3800/1Aといえる個体ですが、2023年3月に600万円台という水準だった個体は3800/1A-010であります。
初期が3800/1だといえ、デイト表示の背景色が黒。中期が3800/1Aで、デイトフォントが明朝。いずれもバックルが5桁ロレックスのような形状をしています。
それに対して、後期青文字盤の3800/1A-010はデイトフォントがゴシック体になっており、バックルが観音開きタイプ。
後期の3800/1A-010は、デイトナ16520のP番のような「最終世代ならではの希少性」があると感じられるのですが、これまで特に他の世代に対して圧倒的高値といった傾向がありませんでした。(2023年3月に約617万円となっていたのは後期の3800/1A-010)
7月に900万円台だったのが中期、9月現在1100万円台になっているのが前期とという違いがありますが、これまでの青文字盤の事情を考慮すると、前期中期後期問わず伸びていると判断できます。
ちなみに、現在後期の3800/1A-010は1239万円となっており、やはり前期と後期で圧倒的な違いはないといえます。
また、現在白文字盤の3800/1A-011も中古売り出しがありますが、そちらは1155万円といった状態。
これまで、3800/1A系は、そこまで目立って高値となっている印象がなかったといえますが、ここにきて一気に高くなっているといえます。
なお、3800/1Aの中で最も安価となっている黒文字盤の3800/1A-001は、今年3月時点で600万円台となっており、一時はコンビの3800/1JAよりも安価といった状態でした。
それが現在では700万円台に上昇しているため、3800/1A系は全体的に上昇傾向となっている様子があります。