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現在相場考察

5196よりも高値、カラトラバ3796G-001

2025年10月10日更新
パテックフィリップのカラトラバ3796G-001について斉藤由貴生が執筆。本記事では2022年8月の安値と2025年10月の安値を比較し現在相場を考察。この3年2ヶ月での変動は96万600円の値上がりだった。

カラトラバ 3796G-001についての考察(2025年10月)

近頃、K18の中で、最も中古相場が安価となっているのがWGだといえます。

2010年代中盤といった時期まで、WGはYGよりも相場が高い傾向だったのが、2018年頃からYGよりも安価となる様子が見られるようになり、今ではすっかり、「最も安価なK18」となっている印象があります。

同じモデルで、各K18がラインナップされている場合、WGは特に安価といった傾向が珍しくなく、例えばロレックスのヨットマスター2では、現在YGが560万円台となっている一方、WGは450万円台。

同じ時期にデビューした両者ですが、相場はYGのほうが100万円以上も高値となっているわけです。

しかし、そういったWGにおいて“高値”となっているモデルが存在。

それが、ロレックス5桁に相当するような、「WGのラインナップや個体数が少ない」といった世代のWGモデルであります。

例えば、ロレックスの場合、オイスタークォーツのWGモデルは数が少なく、以前からデイデイト19019が特に高値といった傾向。

そして、パテックフィリップのカラトラバ3796でもまた、そういった現象が見られ、WGの3796G-001は現在300万円台に達している様子があるのです。

本記事で参考とした中古腕時計

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本記事の価格比較

腕時計 状態 期間 2022年8月
の安値
2025年10月
の安値
変動額 残価率
パテックフィリップ
カラトラバ
3796G-001
中古 3年
2ヶ月
¥2,039,400 ¥3,000,000 960,600 147.10%

この3796G-001は、2022年頃まで200万円前後という相場だったわけですが、現在では300万円に到達しています。

3796といえば、96系の2世代目(1982年デビュー)にあたり、ロレックス6桁世代に相当する5196(2004年デビュー)よりも安価という印象があります。

しかしながら、この3796G-001は、現在どの5196(K18モデル)よりも高値という状態。

各K18の3796と5196の相場は以下の通りです。

YG

3796J(3796D含む) 1,870,000円~
5196J-001 2,850,000円~

RG

3796R 1,998,000円~
5196R-001 2,698,000円~

WG

3796G 3,000,000円~
5196G-001 2,935,500円~

YGとRGの相場を見ると、3796よりも明らかに5196が高値となっているわけですが、WGの場合は3796のほうが高値となっているのです。

なお、5196を見た場合でも、不思議とWGが評価されている傾向があり、高い順に「WG⇒YG⇒RG」といった状態。近頃のK18といえば、RGが最も高く、WGが最も安価という印象がありますが、5196は真逆というのも興味深いといえます。

そして、そういった状態のWGの5196Gをもってしても、3796Gの相場が上回っているというのもまた凄いと思えるわけで、こういった世代のWGモデルは、はやり高く評価される傾向があるのだと再確認できた事例だといえるでしょう。

この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。
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