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凄く高くなったパネライ、PAM00103

このラジオミールはとても魅力的な時計です。

今ではラジオミールというモデルはルミノール系となんらかわりのないオーソドックスな扱いとなっていますが、かつてはこの金無垢モデルのようにパネライの最高級を担うシリーズだったのです。

ラジオミールは金無垢モデルか、アラームのようにプチコン的機構を備えたムーブメントを搭載するモデルしかありませんでした。

一番最初にその例を破ったのは2004年に登場したブラックシールですが、ブラックシールはその愛称があるという事自体が示すようにラジオミールシリーズにおける特殊なモデル。

サブマリーナが30万円台で買えた時代において60万円以上が当たり前というラジオミールシリーズの中で唯一、40万円台で買えたのがブラックシールでしたが、そのカジュアル感は他のラジオミールの高級感を損なうことはありませでした。

しかし、翌年2005年よりラジオミールには「ベース」が登場し、それ以降のラジオミールルミノール系とかわりのないシリーズとなったのです。

その結果、今では逆に珍しく見えるのがこの金無垢ラジオミール

今のラジオミールといえば45mmは当たり前ですが、この頃のラジオミールは40mm。

機械もゼニスエリートベースの高級なものであり、当時のパネライとしては珍しい“裏スケ”仕様です。

この頃におけるパネライの裏スケモデルは、金無垢ラジオミールかエルプリを搭載するクロノグラフにしかありません。

よって、パネライには分かりやすい棲み分けがあったのです。

その時代において最も値上がりしたモデルこそ、この金無垢ラジオミール

ホワイトゴールドのPAM00062とピンクゴールドのPAM00103がありますが、どちらもかなりの値上がり状態です。

PAM00103は途中でムーブメントのローター部分が金色となったため、前期後期などと呼ばれていますが、どちらも関係なしに値上がり状態。

昨年の記事でも値上がり状態なことをお伝えしましたが、その際の相場は約130万円程度。

そしてそこからさらに値上がりした、というのはかなり驚くべき事態です。

この記事の個体だけが高いのではなく、既に売れてしまった他の個体も同じような価格ですから今において140万円台という相場は間違っていないのです。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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