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高い時期よりさらに高くなった、パテックフィリップ『ノーチラス』5711/1A青文字盤

ノーチラスの青文字盤は近年、世界的にものすごい人気の腕時計で、定価で手に入れるのが困難なプレミア価格モデルです。

これだけ値上がりしたノーチラスですが、2013年頃まではアクアノートと比較できるほどの価格でした。

実際、古典的なノーチラスと新しいアクアノート、どちらにしようかと迷う人も多く、兄弟的なモデルだったのです。

2代目アクアノートである5167が登場したのは2007年、このノーチラス5711が登場したのは2006年と両者のデビュー時期もかなり近く、まさに比べる対象だったのです。

しかし、この2年でノーチラスアクアノートは比べる対象でなくなりました。

2014年から2年後の2016年にかけてアクアノート50万円以上の値下がり。そのアクアノートは、このノーチラスと比較対象となるブレスレットモデル、5167/1Aです。

そのため、2015年の時点で300万円近いノーチラスも、値下がりするかと思われても不思議ではありません。

いくら人気があるとはいえ、ステンレスの3針モデルで300万円というのはかつてない水準であり、アクアノートと同様に値下がりしてもおかしくなかったのです。

しかし、この青文字盤のノーチラスに対しては300万円より高くても良いという人が世界中にいたのでしょう。

そして、その結果、かなり高いと思った時期より80万円以上の値上がりという前代未聞の現象が起きています。

特に2015年4月は、全体的に腕時計が高かったため、その時期に買って80万円という水準の値上がりとなるとは想像もできないでしょう。

しかし、こんな予測不可能な現象が起こりうる、というのが腕時計投資の面白さなのです。

●この記事の執筆者
斉藤由貴生
腕時計投資家。著書:『腕時計投資のすすめ(イカロス出版)』『もう新品は買うな(扶桑社)』連載:本サイト以外に『日刊SPA!』『POWER Watch』その他『日経マネー』など多数露出。

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